和田哲哉・LowPowerStation

考えて使う・楽しく使う

クチコミからカオコミへ

最近、こんなニュースが出ていました。 某大手サイトにおける、 本来は一般ユーザーからのものであるクチコミ情報欄が サイトの運営者側に操作されていたらしいと言うものです。

まあ、ちょっとでもWebに詳しい人にとりましたら 「ああ、やっぱり」な話であったでしょう。

でも昨年の東日本大震災の時には、おそらくほとんどの人が どの情報を信じたらよいのか悩んだのではないかと思います。 テレビでは大学の先生がもっともらしく語っていますが シロウトの自分でも首をかしげたくなるような おかしな話をしている人も時々見受けられました。

この震災で一番役に立った情報は私の友人からのものでした。 震災当初からこれまでを振り返って一度のブレもありませんでした。 実際には、友人からの情報量はほんの少しでした。 でもその情報を基準にすれば他の情報を検証・校正できるのです。

ではなぜ、自分にとって友人の情報が確かなのか。 それは、その友人の情報収集力とリテラシーの高さは勿論ですが なにより「私と友人が同じ利害を共有している」ことに尽きるのです。

Webは時に残念なもので、 本当の事を言うと叩かれる、やっかいな性質を持っています。 本当の事を言われると怒る人(困る人)がいるからです。 あるいは本当の事がタイミング悪く広がると、 真面目にやっている人に迷惑がかかる場合もあります。 だからWebには本当の事はなかなか見えてこない。

匿名という手がありますが、読み手側が匿名の情報を検証するには 必要な情報を得るよりも時に数倍の労力が必要です。

(Webでの)クチコミから(面識ある人の)カオコミへ。 私がそう思う理由です。

ではWebは役に立たないのか。…否。 ここ十数年間の信頼できる友人達との最初の出会いの多くは Webがきっかけでした。 ただしWebで知り合ったら、すぐに直接お会いする。会えばわかる。 そこが肝心です。

クチコミからカオコミへ。

( 2012年3月18日・和田哲哉 拝 )