テクノロジーライター:大谷和利さんの最新刊です。
宣伝広告など、写真やグラフィックスに関わっている人の多くが 日々ふつうに「ヴィジュアルが…」と言っています。 では、そこで提示される「ヴィジュアル」って何だろう? 本書では、私の素朴な疑問について膨大な量の実例を伴って 様々な角度から応えてくれています。
・日本のWebサイトに欠けているもの。 ・ヴィジュアルを自分のものにして活用している人達。 ・写真が持つ大きな力と、それによって生み出された成功例。
語られる対象は写真・グラフィックスにとどまらず、 色彩、デザイン、ブランディングと、広範囲。
印象的かつ分りやすかったのが、 JRが新型新幹線N700Aを発表した当時を題材にした: 「新幹線という国家的ブランド」。 半世紀近くにわたり積み上げてきた安全と信頼を 世界に売り込む表舞台において、新幹線というブランドを 効果的に展開・周知させるための提言については 新幹線以外の製品にも大きなヒントとなりそうです。
「言えば分る」から「見せなければ分らない」への 意識改革の必要性。本書はその「なぜ?」を ひとつひとつ丁寧に説いている良書です。