和田哲哉・LowPowerStation

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ゼンハイザーHD25SP II、ケーブルを再度換装(リケーブル)しました。

今年2月に購入したゼンハイザーのヘッドフォン「HD25SP II」(ただし娘用)のヘッドフォンケーブルを再度付け替えしました。

 

・ふたつのHD25
・オヤイデ電気 HPC-26T V2で自作
・音質はSP IIにぴったり

 

前回の記事を読み返したところ、あまりに難解だったので、今回は少し解説を交えながら書いてみます。

 

・ふたつのHD25

私は「ゼンハイザー HD25-1 II」というヘッドフォンをずっと愛用しています。たぶん10年以上。途中、自分の不注意で壊してしまい現在2代目です。ゼンハイザーはドイツの音響機器メーカー。ヘッドフォンやプロ用のマイクロフォンなどで有名です。

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SENNHEISER HD25-1 II(黄色のケーブルはオヤイデHPC-HD25)

 

この「HD25-1 II」はゼンハイザー社が「DJ向け」を明確に謳っている製品で、実際に海外のDJシーンでこのヘッドフォンが使われているのをよく見かけます。音質は、弾むような低音と聴こえ過ぎるほどの高音のいわゆる「ドンシャリ傾向」の代表のような設定ですが、ロック系の曲を元気に鳴らすことが出来ます。個人的にはYMOのライブ盤がパーフェクトに聴けるという素晴らしい機種です。他方、ちょうど私が初代を購入した頃からアマゾン等のレビュー数が急速に増えていて本製品の人気の高さを知ることができます。

面白いのはユーザーの手によってドライバ(スピーカー)・ヘッドバンド・ヘッドフォンケーブルを簡単に分解でき、また各パーツを個人でも比較的容易に入手可能な点です。特にヘッドフォンケーブルを別製に換装する「リケーブル」が盛んで、数多くのHD25シリーズ向けカスタムケーブルが取り引きされています。日本では秋葉原のオヤイデ電気がHD25用ケーブルの代表的な供給元になっています。(→有り難い!)

 

HD25シリーズのヘッドフォンはドライバやヘッドバンド・ケーブル・コネクタ等の違いによっていくつかのバリエーションがあります。並行輸入品を含めると現時点で7種類ほどありそうです。

娘が使っているのは「HD25SP II」というモデルです。これは私の機種よりもヘッドバンドの仕様が簡略化され、またドライバのグレードに違いがあります。具体的には、低音域はさらに強調、反対に高音域はカットされているのかと思うくらいに抑えられています。

 

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SENNHEISER HD25SP II

 

前回の記事のとおり、HD25SP IIに標準装備のケーブルは3メートルと長すぎるので、一度はオヤイデのHPC35-HDXにリケーブルしました。

 

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オヤイデ電気 HPC35-HDX

 

ところがこのケーブルは、ヘッドフォン側のコネクタが左右ともに黒色。さっそく「右側の赤い部品が見た目のアクセントになっていたのに!」という娘からの指摘が。また、HPC35-HDXがそもそもゼンハイザーの高級ヘッドフォン:HD650向けのもので、野太いケーブルで作られているため、屋外に持ち出すにはちょっとヘビー過ぎる嫌いもあり、今回再度のリケーブルとなりました。

 

ここで「標準ケーブルを短くカットすればいいじゃない?」というお声が出てくるかと思います。私もトライしたのですが、標準ケーブルの中身(銅線)はとても複雑な編み込みになっていて、手作業でほぐしての再構築は無理だったのです。いくらメーカーとは言え、ゼンハイザー社はこの細かい網線でどうやって作ったのだろうかと不思議なくらいでした。

 

オヤイデ電気 HPC-26T V2で自作

さて、私のHD25-1 IIと娘のHD25SP IIとでは、似ているように見えてケーブルの引き出し方に違いがあります。前者はケーブル片出し式、後者は各ドライバから直接ケーブルが下がっています。それに従いケーブルの作りにも違いがあります。HD25-1 IIは流通量が多いので完成品の換装用ケーブルをいくつかの中から選べますが、残念ながら流通量の少ないHD25SP IIにすぐ装着出来る換装ケーブルは少ないのです。

このため今回はやむなく、ケーブルとコネクタをバラで購入し、自作することになりました。各部品は秋葉原にあるオヤイデ電気さんのショップですぐに入手できました。ケーブルはオヤイデ・オリジナルの「HPC-26T V2」。ステレオミニプラグはアンフェノールのちょっとカッコいいものを。ヘッドフォン側のコネクタは「黒・赤」でなければならないのでカルダスという銘柄に。

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今回自作となったHD25SP II用ケーブル

 

自作…と言いながら作業はウチの会長にお願いしました。ステレオミニプラグ側はそこそこの難易度。ヘッドフォン側は素材が熱に弱く、ハンダ付けは困難だったとのことです。素材を溶かさずに確実な結線が出来るよう、ウチ(和田電機)の温度可変式ハンダゴテを使い、コテ先温度も専用の温度計で確認しながらの作業となりました。

オヤイデさんでは、ヘッドフォン側コネクタの結線後は熱収縮チューブを使ってハンダ付け部分をカバーすることを推奨していますが、今回はこの部分を信越シリコーンのKE45-Tでシールしました。こうすることで赤いコネクタを少しも覆うことなく仕上げられます。

 

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・音質はSP IIにぴったり

さっそく完成品をHD25SP IIに接続して試聴。これまで使用していたケーブル:HPC35-HDXは(ケーブルの素材と太さから)上級モデルで、ステディな低音とHD25SP IIの欠点を少し補う高音の仕上がりを実現し満足のゆくものでした。今回のケーブル:HPC-26T V2は細いケーブルになるわけですが、そのことで劣ったという印象はほとんど無くて、低音のステディさと残念さを感じない適度な高音の再現性が保たれています。曲によってはむしろ自分のHD25-1 IIよりも好ましいものが多く、「追い込んだ際に高音が聴こえていない」というHD25SP IIが元来抱えているウィークポイントを考えなければ、かなりイケる感じです。少なくとも娘が聴く分には大丈夫でしょう。

 

最後に、外したHPC35-HDXを私のHD25-1 IIに接続してみました。前述のとおりHD25-1 IIはケーブルが片出し式なのですが、ドライバを上下反対にしてヘッドバンドに差し込むとHD25SP IIのような両出し式ヘッドフォンに早変わり。HPC35-HDXも装着できるのです。

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一時的にHPC35-HDXに換装したHD25-1 II

 

さて音質は…。んん、、もともと出過ぎの高音がさらに伸びて、でも雑味は無くクリアではあるけれども全体として音の平板さを生んでしまっている気が。いままで聴こえなかったエフェクトの細部は見えてくるようですが、感激度は薄い、かな。それとケーブルが硬すぎてケーブルの遠端に触れただけでも耳に接触音が伝わってしまうのも屋外の使用にはキビシイ感じでした。

 

今回はHPC35-HDXを外し、元のケーブルに戻しました。という「元のケーブル」も秋葉原のオヤイデ電気さんで今年1月頃に限定販売していた「HPC-HD25 V2」でした。クリアさはHPC35-HDXにかなわないと思うのですが、バランスの良さがあり、HD25-1 IIにはしばらくこちらを使って行こうと思います。

  

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