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和田哲哉 -LowPowerStation-

ステーショナリープログラムと信頼文具舗を運営している和田哲哉のブログです。

PFUのomoidoriで初代レガシィをスキャンしてみた

HHKB(ハッピーハッキングキーボード)」や「スキャンスナップ」でお馴染みの(株)PFUさんが今年6月に発表した製品「omoidor(オモイドリ)」。この発表会にお招きを頂き、有り難いことに機材のご提供も受けてしまったのに、LowPowerStationで迅速なご紹介ができず4ヶ月も経ってしまったダメな私です。

本日はその反省も踏まえつつ、でもomoidoriの基本仕様はすでに皆様ご存じのはずなので、なにか違うアプローチも考えつつ書いてみたいと思います。  

  

omoidoriとは

銀塩カメラで撮影した写真プリントをそのまま手軽にスキャンできる、iPhone対応の「アルバムスキャナ」です。  

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株式会社PFU "omoidori"  

  

スマートな白いボディの中央部をパカッとA字型に開きますと、その内部には大きな2枚の鏡面と4灯の白色LEDランプが現れます。omoidoriの側面にiPhoneをセット。専用アプリとの連携で写真プリントを簡単にスキャンすることができます。最適なLED点灯とスキャン手順を行い、そこに写真の自動合成技術を連携させることにより、アルバムに貼られた写真プリントであっても表面をテカらせることなく簡単に美しくスキャンが可能。最近登場した最新モデルはiPhone7にも対応。初期モデルのユーザーも有償でiPhone7対応モデルにアップグレードできます(申し込み期限あり)。  

    

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アルバムに貼られた写真もそのままスキャン  

  

クルマの写真をスキャン

omoidoriを手にして最初にスキャンしたいと思った写真はコレでした。クルマは初代のスバル・レガシィ ツーリングワゴンGT(後期型)です。

フジフィルムの使い捨てカメラ「写ルンです」で一時期登場したワイド版「パノラミック」で撮影。プリントの横幅はL判の2倍近くあります。「omoidori」は本来のスキャン範囲を超えても本体を横にずらして2回スキャンし、あとは専用アプリ内で2枚の画像データを美しく自動合成してくれます。さすがにパノラマプリントの全幅スキャンは無理ながらも「思いどおり」にレガシィの全長を捉えてくれました。

夕暮れ時の撮影のためプリントの段階では粒子が粗く発色も不自然でしたが、画像データ化によってPhotoshopでさまざまな補正が出来ました。ウチにはほとんど記録が残っていない初代レガシイの美しい姿をモニタ上で見ることが出来て満足です。

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我が家では仕事の都合からライトバンやステーションワゴンしか買ったことがなくて、ものごころ付いた時から後ろがパカッと開くクルマしか知らないものですから、たまにセダンなんか乗ると後ろ側に突き出たトランクをどう使えば良いのか分からなくて変な汗をかいてしまいます。でもふり返ってみますと国産のステーションワゴンはこれまでほとんど開発がされていなくて、幅広いクルマ選びが出来ない退屈なジャンルの車型でもありました。(近ごろは輸入車がいっぱい入ってきて選べるようになりましたけど。)

そのような「かぼそい」クルマ選びのなかセドリックやクラウンのステーションワゴンを乗り継いでいたところ、1989年にスバルから「ツーリングワゴン」の名を冠した初代レガシィが登場したのであります。

レガシィ登場以前のスバルと言えば、スバル360やスバル1000などによる名声も年月が経って影をひそめ(もちろん水平対向エンジン+優秀な四輪駆動システムを支持する熱心なファンが多かったとは言え)、実直ながらいまひとつ垢抜けない自動車メーカーになっていました。

それが突如、流麗なボディにターボを搭載したGTグレードという、ステーションワゴンしか乗り継げない人たちの目がハートになってしまうようなモデルが現れたのですから、そのスジへの衝撃は相当なものだったことに間違えはありません。また1980年代の後半は映画「私をスキーに連れてって」などの影響もあってか、多くの人達がスキー場へと向かっていて、スキー用品を積載し雪道も安心ということでレガシィの人気をさらに後押ししていたはずです。

  

最初にレガシィに目を付けたのは私の弟でした。それまでクラウン・ステーションワゴンに乗っていた会長(父)が渋るのを押し切り、写真の初代レガシィ(後期型)が我が家にやってきたのです。いまだに思い出すのは、ヒット作とは言いながらレガシィがまだ社会現象的な騒ぎには至っていないころ、私たち家族が初めてスバルの販売店を訪れた際、所長以下お店のスタッフ全員が仲良くヤクルトを飲んでいて、皆さんが一斉に「やべっ、お客さん」という目でこちらを見てきたことです。まだまだスバルの営業所は平和だったのでしょう。けれども、レガシィがきっかけとなった以降のステーションワゴンブームは大変なもので、国内ではトヨタがレガシィにイメージを寄せた「カルディナ」を発表。海の向こうではレガシィの地上高を上げた「アウトバック」が驚異的なヒットに。これは現在に至ってもなおスバルの基幹商品になっています。  

  

さて、うちにやってきた初代レガシィは、見た目の良さだけでなくハンドルを握っても衝撃ものでした。セドリックやクラウンでは当たり前になっていた直列6気筒エンジン特有のコーナリング時の鈍重な挙動がコンパクトな水平対向4気筒には皆無ですし、多少ラフな加速をさせてもフラットな姿勢のままでスッと前に進む「四つ足感覚」と呼びたい安全で低重心な走行感覚は、現行のレガシィやレヴォーグにもそのまま通じているスバル四駆独特の特徴でした。  

会長もすぐにこのクルマのファンになったようで、結果として初代から5代目まで、もらい事故による買い替えも含めこれまでに計6台の歴代レガシィを乗り継ぐことになりました。  

  

ではこれまでで一番好きなレガシィは?と聞かれたら、私は迷わず、この初代を選ぶでしょう。初代(BC/BF系)と2代目(BD/BG系)との違いは結構多くて、2代目においてシーケンシャルツインターボの搭載や車体の剛性強化など数々の改良が施されてはいるのですが、ターボが効く前のスカスカな走り味や道路の小さな轍(わだち)さえもハンドルに伝わる油断のならないセッティングなどについて、2代目以降の優等生的なレガシィには無い「ちょっとダメな感じ」が、かえって印象に残っているのかもしれません。  

初代が好きだったのにはもうひとつの理由(=コネタ)があります。この初代後期モデルは、本来ならば平板なデザインのアルミホイールが標準で備わっていました。けれども担当のかたにご無理をお願いして、人気が高かった初代前期モデルのマッスルなデザインのアルミホイールに、しかも前期型セダンの限定車「RS type RA」のダークグレーに塗色されたものに換装をしてもらっていました。このホイールを装着した初代後期レガシィはおそらく日本でこの1台だけだったかもしれません。ほぼ黒に近いダークグレーのボディにダークグレーのアルミホイールと「シブカッコいい」一台でした。  

  

最後にスバルが作るステーションワゴンの凄いところをひとつ。ワゴンボディ最大の特徴である大きな後部ドア。ここは開口部が大きいため、車体の強度を大幅に低下させるウィークポイントでもあります。スバルに切り替える以前に乗っていた4台のトヨタ車と1台の日産車はいずれも、このバックドアの建て付けと留め金具の設計がいまひとつで、少しでも荒れた路面を走ると後部からガタガタときしむ音が発生していました。クレームして金具を修繕しても直らず、これはワゴンボディの利便性と引き換えにつきまとう、避けることの出来ない欠点と諦めていました。ところがレガシィのバックドアからは、初代から現在乗っているモデルに至るまできしみも金具のガタツキ音も発生しないのです。つまりこの欠点は無くそうと思えば無くすことが出来たわけで、スバルのユーザーの気持ちに立ったクルマ作りを知る大切なポイントとなったのでした。  

  

と、いつまでも語っていてすみません。omoidoriで写真をスキャンして、こういう事を思い出しながらグダグダと書きたかったのであります。さて次はどの写真にしようかな。