和田哲哉 -LowPowerStation-

文房具ジャーナリスト・ステーショナリープログラム運営 / 和田哲哉のブログです

トレンチライターのメンテナンスをしました

eBayで入手したライターが点火しないとのことでメンテナンスを頼まれました。ライターの修理屋さんではないのに、うっかり引き受けてしまいました。

  

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今回メンテナンスする「トレンチライター」

  

これは本体側面をスライドさせてウィック(ライターオイルを吸い上げる芯)のキャップを開閉するタイプの「トレンチライター」です。

トレンチ(trench)とは野戦時の「塹壕(ざんごう)」を指し、塹壕の中に転がっていたライフル銃を改造して作ったオイルライターが発祥だそうです(未確認)。有名なZIPPO(ジッポー)よりも歴史は古いとのこと。いまでも復刻版は入手できます。これは少しだけ古い製品らしく、本体の焼け具合とか側面の刻印とか、味わいがあります。

分類上はジッポーと同じオイルライターです。本体内には綿(わた)がギュッと押し込まれていて、そこに燃料となるライターオイルをしみ込ませます。綿の中に埋め込んだウィックがライターオイルを吸い上げて火が灯る仕組みです。

本品を調べたところ、トレンチライターの先端から見えているウィックはダミー(焦げた短いウィックの切れ端を上から挿していただけ)でした。これでは点火しません。オークションに出すために見た目だけテキトウに仕立てていたのかな。なのでウィックをちゃんと取り付ければ直ると思います。

ジッポーと違い本体が細長いので、ウィックの取り付けは大変そうです。その厳しい現実は先送りにして、ひとまずフリント(発火石)の交換から手を付けます。

  

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笑えるのですが、私にも大昔に3年ほどタバコを吸っていた時期があり、その時に使っていたロンソンのフリントを探したら出てきました。ロンソンのフリントは軟らかいので、それ自身の減りは早いものの回転ヤスリに負担を掛けないので良いです。

  

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いよいよウィックの交換です。いちど中の綿を全部出さなければなりません。底部のOリング付きのフタを外し・・・こんな細い穴から綿を抜いてウィックを通すなんて気が遠くなりそうです。実際に作業してみて気が遠のきました。ピンセットや長い竹串を使い、古い綿を辛抱強く排出させます。延々一時間近くホジホジして、ヒヨコ一羽ほどの綿が出てきました。

やはり本体からは少しも古いウィックは出てきませんでした。

  

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「ウィック(火を着ける芯)」の端に糸ハンダを溶着

  

新しいウィックはジッポーの純正品を使いました。ウィックは布芯を数本の細い針金で捩ったもので、そのままではこのライターの細い口金と細長い本体を通るはずがありません。しばらく色々な方法でトライしたのですが失敗。そこでウィックの針金に糸ハンダを直接溶かし付けてしまう方法を考えました。

  

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見事にウィック通過!!

新しい綿を押し込み、オイルを充填し、無事にメンテナンス完了となりました。

  

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 12月20日、私の新刊が出ます。
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