和田哲哉 -LowPowerStation-

文房具ジャーナリスト・ステーショナリープログラム運営 / 和田哲哉のブログです

アメリカンプレスで「もうひとつの味」を楽しむ

ことし2月に「ヘッドフォンの数だけ違う音になる」という記事を書きました。

  

blog.sprg.jp

  

これはコーヒーにも言えると思います。ヘッドフォンの記事のタイトルになぞらえれば、「抽出方法の数だけコーヒー豆は違う味になる」です。

  

コーヒーは豆の挽き方や湯温などの調整だけでも味に影響は出るものですが、抽出方法の違いはより大きな変化を生みます。ウチの事務所では通常はペーパーフィルターでハンドドリップ。ときどきコーヒーメーカーを使っています。前者はやさしく深い味わいの中に繊細な香りが見え隠れする感じに。後者はドリップ後のヒーターのおかげで大味になるものの、いかにもコーヒーといったメリハリのある香りになります。

そのようななか、「第3の抽出方式」を手に入れました。「アメリカンプレス」という器具です。先日、青山のスパイラルマーケットにてバリスタの石田謙介氏がアメリカンプレスによる抽出のデモンストレーションをされていて、その場で買ってしまいました。

  

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「アメリカンプレス」コーヒーメーカー

スターバックスコーヒーのタンブラーくらいのサイズ。透明な樹脂のカラフェ(容器)にプランジャー式のポッドが収まった、スッキリとシンプルなスタイルがアメリカンプレスの特徴です。

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本体部品の構成。カラフェは断熱性に優れた二重構造。


コーヒーの粉はポッドと呼ばれる、上下両面が細かい金網で構成されたケースに収めます。

  

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挽いた豆はポッドと呼ばれるケースに収容

プランジャー+ポッドのセットを、お湯を入れたカラフェに装着。ポッド内の粉をお湯に浸して少し蒸らし、その後そのままプランジャーをゆっくりと押し下げます。

  

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プランジャーをゆっくり押下させてコーヒーを抽出

  

アメリカンプレスでのコーヒーの味を決める要素はシンプルです。粉の量、湯の初期温度、ポッドの蒸らし時間、そしてプランジャーの押下速度の4つだけ。それゆえ、毎回同じ結果(=味と風味)を再現させるのは比較的簡単ですし、「今回はこういう結果だったから次回はこうしてみよう」といったトライアルも簡単に行えます。

別途コーヒーサーバー(=ガラスのポット)を用意せずに済み、その予熱管理も不要というメリットもあります。

  

香りと味は?

密閉した器具の中での抽出の効果か、香りはペーパードリップよりも際立ちます。味は押下速度次第ですが、ドリップよりも一段深みのある傾向です。

面白いのは舌触りです。抽出後最初に気付くのは表層に浮かぶコーヒー由来の油分です。ペーパードリップは「滴下」式なので油分はペーパーフィルターの上面に残ります。しかしアメリカンプレスの場合は油分がコーヒーにそのまま浸出します。もしかしたらこの油分が舌触り、さらには味にも影響しているのかもしれません。(後述します、試しにコーヒーを再度ペーパードリップすると一気にサラッとしたコーヒーになりますので)

金属ネットでの抽出のため、コーヒーカップ内に極めて微細なコーヒーの粉が入り、良い意味でも悪い意味でもペーパードリップには無い結果になります。この粉も風味に影響を与えているかもしれません。油分や微細な粉を積極的に楽しむのがアメリカンプレスのポジティブな捉え方になると思います。

あえてアメリカンプレスのコーヒーをペーパーにサッと通してカップに入れると、油分の一部や粉が排され、香りが保たれながら口あたりの軽いコーヒーを作ることもできます。これはとても新しい「出会い」です。ペーパーを通すと2杯以上飲めてしまうとの声もありました。

ペーパーを使わないのが本機のメリットなのになぜペーパーを使う?と言われそうですが、これはこれでアメリカンプレスにしかできない味。買った人はこの方法にもハマるかもしれません。

  

同じコーヒー豆でペーパードリップ→コーヒーメーカー→アメリカンプレスと、淹れかたをローテーションさせて毎日の事務所での休憩時間を楽しんでいます。

  

アメリカンプレス、面白いです。もう少し試してみます。

  

→ アメリカンプレス総輸入元・アークトレーディング公式サイト

    

→ pd web 納富廉邦氏によるアメリカンプレスのレビュー