和田哲哉・LowPowerStation

考えて使う・楽しく使う

iPhoneは冷蔵庫?

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3年ほど前、某紙の編集長さんがこんな話をされていました。「いま皆さんが騒いでいるスマートフォンもいずれは『冷蔵庫』みたい(な普通の家電同然)になりますから。」たしかにいまや、電車に乗れば右も左も、女子高生もオジサマもスマートフォン。かつての新しいモノ好きの機器も、一部を除けば確実に普通の家電へと近づきつつあります。

ところでさきほどの編集長。当時は「どこにでもある家電」の代表として冷蔵庫を挙げたのでしょうけれど、今になって(スマートフォンの流れを最初に作り上げた)iPhoneを見てみますと、本当に「冷蔵庫だなあ!」と思うことがあります。それは、電話もメールも含めどんな機能であっても同じアイコンサイズに統一し並列して画面に並べる風景や、アプリを使ってまた元に戻すを意識させるモーション、大量のアプリの収蔵&呼び出しでも破綻しない作りなどから感じます。

いっぽうiPhoneよりも後に開発されたWindowsPhoneOSでは、電話・メール・Webブラウザを始め頻繁に使用するほんの少しの数のアプリのほかは、画面のカスタマイズをユーザーに委ねながらも自然とその呼び出しの簡単さや表示の並列度においてバッサリと切り捨てられてしまいます。それでもさほど不便は無いですし、タイル(=iPhoneで言うところのアイコン)のサイズを大胆に変更させてユーザーにとって重要なアプリを呼び出しやすくする機能や全体のモーションも含め、ユーザーが小気味の良いモバイル機器を使っていると強く実感できるのはiPhoneよりもWindowsPhoneという印象です。

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両者の違いについて、もちろんiPhoneはiPadと同じインターフェイスという制約も関係するとは思いますが、現在のiOSを見るに「アプリをユーザーに沢山沢山買ってもらって、整然と収蔵して、等しく呼び出してもらう」というインターフェイス、というかビジネスモデルが大切にされているような気がしています。

そのようなことはiPhoneだけを使っていた時には気がつかないものでした。しばらくWindowsPhoneOSを使い「モバイル機器を使っている感・ドキドキ感」が身に付いた後ですと、iPhoneが冷蔵庫と言われても仕方のないほど穏やかな製品に見えるのです。、、、もちろんその穏やかさは大切で、多くの人が安心して使えるUIという観点からiPhoneは一定の地位を保っているとも言えます。