和田哲哉・LowPowerStation

考えて使う・楽しく使う

このソフト塗装をどうにかしてほしいー

6月13日、追記しました。

きょうはネガティブなお話です。 まず写真を。 これら、私が持ち歩いている製品達。

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・"TYPO iPhone case" ・"Kindle paper white" ・"Mitsubishi uni ball Signo 0.38"

各製品の共通点は…黒い本体色? いえ、私が苦手とする「ソフト塗装」仕上げなのです。

手で触るとゴムのような微妙に柔かな表面。塗装なのかラミネートのような特殊処理なのかは分かりません。この手の仕上げで最悪だったのは、ソニーのハンディカム(小型ビデオカメラ)のグリップ部分でした。ひさしぶりに使おうと思ったら、塗装がベタベタに変質しボディからはがれ、手指に溶けた黒い物がくっつくありさま。ニコンのデジタル一眼のグリップもベタベタにこそならなかったものの醜くはがれてきました。

あれから各社改良を施していると信じたいのですが、実際にはどうでしょう。この3つの中では、TYPOは硬質でマシなほう。シグノは機能上の必要性を考えれば辛うじて許容の範囲かな。でもキンドル。キミはいかん。ソフトの程度が強く、持っていてつねにイラッとします。いろいろ手を施しても指紋等の汚れが落ちないのも大きなマイナスポイントです。また、ソフト仕上げのせいで実際よりもズシッと重く感じるのですが。…個人の好みの問題と言われればそれまででしょうけれど。

ソフト塗装の件を除けば、ここに挙げた3製品は本当にいい。シグノ0.38の描線は大好きだし最新のキンドルは本当に読みやすい。まことに「残念」なのです。

ところで先日、こんな製品評価を見ました。「(とある製品)ラバー仕上げの無い樹脂ボディは安っぽく感じた」いよいよソフト塗装が当たり前の世の中になるのか、複雑な気分。

今後これらの製品をそう長くは使わないだろうけれど、時間の経過とともにベタベタしたりはがれたりするのかな。私は20年ほど前に愛用していたハンドヘルドコンピュータ「HP100LX」を今でも部屋に飾っていて、時々手にしては当時の製品の良さを振り返ることがあります。ベタつくソフト塗装だったら、そんな楽しみも無くなってしまう。

だいたい、機能や性能が気に入っていて必要があって使う3品種が皆、ソフト塗装だなんて。偶然とは言え、なんの罰ゲームだろうか。

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追記: 本エントリー公開後、ブログでSNSで(あと電話やメールでも)多くのご意見を頂戴しました(感謝)。あいにく私の本文の書きかたが悪く、主張に優先順位を付けなかったので一部の点について誤解を生んでしまったように思います。ですので本文を書き換えることはせず、以下に補足をいたします。

私が一番言いたいのは「ソフト塗装そのものの感触が嫌いである。指紋や脂よごれが拭いても落ちず、きれいに使えないのも不満である。」ことです。時間の経過とともにべた付く恐れがある点については「そういう可能性をはらんでいると意識しながら使う事が不愉快」とまでは言っておきます。「製品のライフスパンのうちに変質しなければそれでいいだろう」という意見については、「とてもライフスパンが終了したとは言えない、早い時期から変質の始まる製品がある」というご報告もここに記しておきます。

この素材が使われる場面によっては有効な新素材であることは認めます。しかしこれが最終型またはベストであるとは言えないのではないでしょうか。誰かがそう言わないと改良もされないでしょうから、今後もソフト塗装については見守ってまいりたいと思います。

ソフト塗装、または硬度の低い樹脂系素材については問題が顕著にならないだけで各所で多くのトラブルを発生させています。私が実際に経験した範囲だけでも・・・

・エアコン本体の商品ロゴ(ロゴ表面に透明な軟質樹脂がコーティングされていた)が購入後1~2年程度にもかかわらずトロトロに溶け落ちた。これは恐らくそのエアコン自身の温風に負けたか、あるいはロゴ部分に殺虫スプレー(もちろん大量ではないだろう)がかかり、それが契機になり化学反応が起こり変質したものと想像しています。

・ドイツ有名メーカーの鉛筆。表面にすべり止めとデザイン性を兼ねた軟質樹脂系塗料の「ドット模様」が印刷されていたが、1年も在庫しないうちにドットが溶け出し、鉛筆同士が純正の紙箱の中でくっついてしまった。

・ドイツ有名メーカーの高級ボールペン。価格は6千円以上。かなりしっかりとしたゴム風ソフト素材だったが、2年で劣化。在庫のうちに純正の紙箱の内側に貼り付いてしまった。

ところで電子ガジェット。特に部屋置きではない、毎日持ち歩くスマートフォンや Wi-fiルータ、バッテリ、ACアダプタ類は手指の脂や指紋,周囲の砂ぼこり等などが付着しやすいものです。樹脂という素材は本来、塗装されていなければ酸やアルカリ,エチルアルコール、そして化学系のクリーナーに強く、さっと拭けば容易にキレイになります。つまりユーザーの手を煩わせない優秀な素材です。ユーザーが簡単に汚れを清浄して気持ちよく使えるか否かはモバイル機器に要求される大切な「スペック」のひとつと考えます。

先日教えていただいた、ソフト塗装のベタベタはアルカリ系の洗浄剤で落とせるという情報を鑑みますと、もしかしたら最近流行りの電解水系洗浄剤(原料はただの水だがアルカリ特性を示す)によってソフト塗装は変質してしまうかもしれません。(→未確認)そういった不透明な要素も気にかけつつ、この塗装と付き合うのも気分の良いものではありません。

以上、私自身が粘着質(=ベタベタ)になって書いてしまいましたが、こうした疑念・警鐘って、言い出した時にはなかなか周囲の人達には理解してもらえなくて、でも数年してから「あのとき和田が言っていたことがようやくわかった」と言われる経験もこれまで実に多くて。なので、嫌われるのを覚悟の上でグダグダと書き連ねました。

メーカーがソフト塗装を使いたい事情にはさらに関心を持ちつつ理解を深めつつ、でもこの素材には常に疑問を持ちましょうと警鐘も鳴らしつつ、今後も各製品を見てゆきたいと思います。

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