和田哲哉・LowPowerStation

考えて使う・楽しく使う

「モバイルプリンスのファーウェイ王国」レポ(2/3)

前回の記事の続きとなります。

(ファーウェイ製品の初心者です。)  

  

東京・赤坂で開催された「モバイルプリンスのファーウェイ王国」。

ここで紹介された製品はこのふたつです。  

  

・Android スマートフォン:「 HUAWEI P9 」

・Windows10 タブレット:「 HUAWEI MateBook 」

  

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MateBook と P9  

  

まずは「P9」。最大の特徴は、カメラ機材メーカーの「名門」と言える「ライカ(LEICA)」ブランドと共同開発したカメラ部の搭載です。しかもアウトカメラだけでレンズ(=センサー)を2基備えております。

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LEICAブランドのアウトカメラ2基を備えたP9の外観
(その下の四角い部分は指紋認証センサー) 
アルミボディ、サラリと美しい外観はとても好ましいもの。

  

ふたつのセンサーは画素数は同じながら、ひとつはモノクロセンサー、もうひとつはカラー(RGB)センサーとなっており、輪郭抽出と色情報取得の役割を分担します。この方式によって高精細な画像を高速で処理する機能を実現しているそうです。その結果「iPhone7 plusよりも明るく鮮明に撮影出来る(ファーウェイ)」とのことです。

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HUAWEI P9 のダブルセンサーの役割  

  

P9のカメラ機能へのこだわりはレンズ&センサーだけでなく、コントロール系にも及んでいます。カメラモードの時に画面を右にスライドさせると多彩な調整メニューが出現(写真)。メニュー項目は数多く、この純正カメラアプリだけでP9のカメラ機能を存分に楽しむことができます。写真には出ていませんが、画面を左にスライドさせると一眼レフカメラの「シーンモード」と同様のメニューが現れ、カメラに詳しくない初心者でも簡単に映像表現のバリエーションを実行可能になっています。

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多彩なメニュー。画面のデザイン&レイアウトもスマートで好感

  

撮影時の構図を決める「グリッド」には、通常の縦横線に加え黄金分割比由来の「フィボナッチらせん」も用意されています。

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「フィボナッチらせん」を表示させた様子。また、画面下端に並んでいる数値はカメラを「PROモード」にしている際の操作パネル。ホワイトバランス・感度・露出補正など、ユーザーの意思で細かい調整が可能。

  

P9のカメラ部。もうひとつの特徴は、「ワイド・アパーチャ」機能です。  

いま流行りのInstagramやLINEを始めとするSNSにアップロードされる写真において、目的の被写体にのみピントを合わせ、背景部分のピントを出来るだけぼやかせる「ボケ効果」のある写真が求められることがあります。いっぽうで、人物と風景といった距離の差が大きなふたつの被写体の両方にピントを合わせたい、記念撮影のような場面もあると思います。

通常のカメラでは、被写体や背景のピントの合わせ具合は撮影時にしか調整が出来ず、撮影者に一定のカメラ知識と技能が求められていました。またカメラのレンズに能力の限界があったり、撮影時の明るさの条件によって、思い通りのボケ効果を引き出せないこともありました。

こうした難題を解決するため、カメラのハード(レンズやセンサー)とソフト(画像制御プログラム)の連携によって、撮影後でもボケ効果を疑似的に調節可能にした仕組みが、この「ワイド・アパーチャ」機能となります。

(この機能はP9だけでなく、GalaxyシリーズやiPhoneの一部機種にも搭載されています。また、その実現方法については各社が工夫をしており、動作速度や画像仕上がりの精度を競っています。)

  

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P9のワイドアパーチャ機能を試しているとこ。モデル(Sさん)の背景領域と手前(腕の部分)に適度なピントのボケが生まれ、写真の立体感が増していることが分かります。  

  

写真では(会場にいらしていたSさんに許可を頂き)ワイド・アパーチャ機能をテストしています。まずは撮影の前にワイドアパーチャ機能を有効にしておく必要があります。撮影後、ピントを合わせたい箇所を指定(写真ではSさんの頭部に)し、カメラで言うところのF値(レンズの絞り値)を調整しますと、頭部以外の距離にある被写体のピントの合い具合、つまりボケ具合を自在に変えることが出来ます。  

P9では前述のふたつのセンサーを連携させて被写体各所の距離情報を綿密かつ高速に検出しているらしく、私の期待値以上に正確な「擬似ボケ」画像を生成していました。

  

この日は限られた時間内で基本機能しか試すことができませんでしたが、カメラ機能に関しては、現在のスマートフォンとして充分な画質・快適な操作性・抑えのきいたインターフェイスと、気持ちの良いものでした。

クセの無いサラリと品の良い本体にLEICAのロゴマークが「保証」するカメラ機能。実売5万円を切る価格。他のSIMフリーandroid機と比較して大きなアドバンテージになっているのは確かで、HUAWEI社のマーケティングの正しさを実感します。  

あとは、日本国内でのサポート態勢はどうなのか。ウェブでの噂も確認しつつ、今後の購入製品対象としてwatchしてまいりたいと思います。  

  

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今回のイベント、司会・進行をされたモバイルプリンスさん(左)と、P9とMateBookを解説してくださったAndroid総合情報サイトGAPSIS 編集長・長田卓也さん(右)。  

  

次回(最終回)はMateBookについてです。 

  

blog.sprg.jp

 

  

(本イベントには「参加者は各自のブログに記事を3本掲載のこと」という条件がありましたので、この記事はそれに連動してのものとなります。なお、参加や記事執筆に際し報酬は受け取っていません。)