お菓子の東京みやげと言うと、各駅の売店を席巻している「○○○○○」だと思っているかたが多いと思いますが、私としては「うーん、知らない。いつの間に?」という気持ちです。
むかし新宿にあった母方の実家には親戚や仕事関係などの来客が多く、いつも関東関西各地のお土産が居間に置いてある状態で、当時子供だった私は実家に行くたびにそのお菓子を食べさせてもらうことができました。
とは言え50年近く前のことですから、現在のようにお菓子の銘柄は多くはなく、定番の「おつかいもの」はせいぜい20種類位です。関東地域では虎屋さんの羊羹が堂々の1位でした。子供にとっては「立田野のあんみつ(持ち帰り容器入り)」、「江戸一のピーセン」、「たちばなのパンセ(ただし当時のレシピ)」などがうれしいところでした。先日話題になった花園饅頭の「ぬれ甘なっと」も外せません。
ノスタルジー込みで印象深いのは泉屋東京店さんのクッキーです。泉屋さんは、元々は京都での菓子製造販売がルーツだそうですが、昭和初期に東京・赤坂に移転。会社としてスタートしたのは東京・麹町にある現本店からになるようで、東京名物と言って間違え無いと思います。
進物で使われる場合は缶入りのアソートセットが基本です。でもその缶の中には好きなクッキー、そうでもないクッキーがあって(今ならどれも大好き)。当時最初に手をのばしてしまうのが、写真の「サボイフィンガー」でした。
カステラのような生地を焼いた軽いサクサクの食感、淡い甘味と卵の風味が特徴。アソート缶にはこれが6~8本位しか入っていなくて、あっと言う間に消えてしまう貴重なもの。
それが先日、デバ地下にて泉屋さんのコーナーがあって、サボイフィンガーだけのパックを買えることを発見。迷わず購入しました。パックにみっちりとサボイフィンガーですよ。シアワセ。
いまは泉屋さんのクッキーは全国で買うことが出来るようです。それならばなおのこと、麹町の本店に出向いてお店の雰囲気体験込みで「東京みやげ」を入手されるのもよいかと思います。