「エアロプレス(AeroPress)」を入手しました。コーヒーを抽出する器具です。
コーヒーがお好きなかたでしたらご存じの製品だと思います。でも見た目がオモチャみたいなので、実際に使ったことのある人は意外と少ないかもしれません。…ところが…
これで淹れたコーヒー。ドリップの場合とは驚くほどの違いが出ます。「同じ豆なの?」と誰もが言ってしまうと思います。
味についての詳しい話は後半にして、まずはエアロプレス自体をご覧ください。
エアロプレスは4つのパーツで構成されるシンプルな製品です。写真右からコーヒーの粉と湯を入れる「チャンバー」、写真左はコーヒーを押し出す「プランジャー」とゴム製の「シール」、そして手前の黒い部品はペーパーフィルターを保持する「フィルターカップ」です。
これだけではまだ使い方の想像がつかないと思うので、使用時イメージを次の写真にて。
このようにエアロプレスを立てた状態で、プランジャーを押し下げてチャンバー内の「コーヒー粉+湯」の混合液を圧力によって抽出する感じになります。コーヒー1杯分でしたら写真のようにマグカップに直接入れることもできます。
抽出には専用の紙フィルターを使用します。直径64mmほど(2.5インチ?)の円形フィルターです。これを「フィルターカップ」にセットしておきます。フィルターの準備が出来たら「チャンバー」に粉とお湯を入れます。
私のやりかたでは、チャンバーにプランジャーを少しはめ込み、プランジャー側を下にした状態で珈琲の粉と湯を入れます(*1)。この混合液を軽く撹拌し、フィルターカップを装着。エアロプレスの上下をそっと逆さまにしてマグカップの上にセットし、一定の時間を置いた後にプランジャーをゆっくりと押し下げます。
※1:熱湯の取り扱いに注意してください。
なお、エアロプレス公式サイトでは、最初からチャンバー側を下にして(マグカップの上に置いてから)粉や湯を入れる方法を案内しています。
お湯を自然滴下するだけのドリップ式とは違い、珈琲の粉を最後にギュッと絞るのでエスプレッソ的に濃いコーヒーを作ることができます。エアロプレス公式サイトでも、チャンバーに入れる湯量を少なめにして圧力抽出し「そのまま飲めばエスプレッソ。お湯で薄めてアメリカン」と紹介していました。
エアロプレスを使うと、「同じ豆の量」、「同じ最終湯量」であってもドリップで淹れた場合とは全く違う味と香りになります。味が濃いというか味の輪郭が際立ちます。たとえば銀座五十音さんのオリジナルブレンド豆「オキツネブレンド」は、ドリップ抽出ですと豊かな香りと優しい味で砂糖やミルク無しで飲みたい感じですが、エアロプレスによってカフェオレに耐えるシッカリとした味のコーヒーが出来上がります。
それと手順がシンプルなので「同じ味の再現度」が高い気がします。ドリップ抽出では避けることができない「単位時間あたりの湯量の変動」と「湯の滴下ポイントの変動」がエアロプレスでは介入しないので、豆と湯温を揃えれば毎回同じ風味のコーヒーが出来上がるのです。
じっさいオキツネブレンドを焙煎している私たちの「先生」も、豆の種類や焙煎の比較検討時にはエアロプレスを使うことで抽出条件を揃えてテスティングできるとのお話をされています。
それと、エアロプレスでは見た目の割に器具を洗うのもラク。このところひとりで飲む時はエアロプレスを使ってしまいます。なにより同じ珈琲豆でふたとおりの味が楽しめます。これは良いと思います。
追記1:
この抽出方式、どこかで見たことがあると思ったら、セブンイレブンの店内に設置された「セブンカフェ」の機械と同じかもしれません。ということは高速道路のサービスエリアで見かける「アドマイヤー」のコーヒーベンダーも同じかも。いずれもエアロプレス系の「輪郭がハッキリした」コーヒーの味です。本件については引き続き調べてみます。
追伸2:
そのほかアメリカンプレスという製品もあります。
追伸3:
エアロプレスについては関連記事があります。
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エアロプレスはクラシックモデルとコンパクトモデルの2種類があります。このページに掲載したのはクラシックモデル。珈琲粉を上手に入れるアダプターも付いています。
下はコンパクトモデル「エアロプレスゴー」。コーヒーを受けるカップ(携帯用ケース兼用)も付いています。しかもカワイイ。