そのコストパフォーマンスの高さに驚いた、アシダ音響のヘッドフォン「ST-90-05」。早いもので購入から7週間近くが経過しました。
業務用の音響機器メーカーがコンシューマー向けに開発・販売するヘッドフォン。極めて手頃な価格なのに音がイイ。無骨な外観が個性的。といったファーストインプレッションは前回の記事のとおりです。
★★ ぜひぜひ、前回の記事を先にお読みください:
私がことし10月上旬に買ったこのロットは、1.5mと長めで着脱もできないケーブルを備えていますが、自宅でも外出時にも fiio の Bluetooth レシーバー「BTR5」につないでいます。プレイヤーは iPhone。AppleMusicをAACで聴くという、まったくマニアックではない環境です。なお事務所のデスクでは有線DACモードにしたBTR5を介して聴いています。
以前はゼンハイザーHD25を持ち歩くことが多かったのが、昨年からベイヤーダイナミックのAventho Wired とゼンハイザー IE40 Proの同時持ちになっていました。ことし10月からはベイヤーが ST-90-05 に置き換わった感じです。
自宅内でも出先でも、ST-90-05 のメリットは軽いことと少々ラフに扱っても大丈夫そうなことのふたつです。さきほどには「無骨」と言ってしまったボディは無塗装樹脂ですし、太めでコシのある片出しケーブルは絡みにくく、扱いがとても楽です。
音質は中音域~低音域が強調された、私の耳には少し負担な傾向でしたけれど、ドライバーが少し変化したのか私の耳が慣れたのか、購入当初ほどにはクセを感じなくなりました。耳に刺さることの無いフラットな高音域~中音域は曲のジャンルをあまり選ばず、どの曲を聴いてもだいたい困ることはありません。
と言いますか、税込み6千円台前半(2020年11月現在)の価格でこの音を聴かせてくれるのですから大したものです。メーカー内の序列が優先され、安くも無いのに残念な音質の国産ヘッドフォンだってあるのですから。
ひとつ気づいたのはヘッドフォンケーブルの取り扱いに気をつけることです。その材質から写真のとおりキレイに束ねることができるものの、このようなループをBluetoothレシーバーに近接させるとレシーバーが誤動作を起こし、iPhoneとレシーバーとの通信が頻繁に途切れてしまいます。まあ、オーディオケーブルでも電源ケーブルでも、使う時に巻いてはいけないのはどんな製品にも常識ですが。
(もちろんこれは ST-90-05 特有の問題ではないと思います。ほかの有線式ヘッドフォンでも同様の注意は必要でしょう。)
過不足の無い高音域、ボリューム感ある中音域~低音域。解像度も十分。様々な音楽のジャンルに幅広く対応する絶妙なセッティングになっていると思います。
見た目のサイズに比して音場が大きいのもうれしいです。スケール大きめの曲もそのまま、豊かに表現してくれます。楽しめた曲をふたつ挙げておきます。
※サンプルは音量が大きいので注意。また、サンプルはAppleMusic本編と音質が違う場合があります。
もちろん、豊かながらも少しカッチリとした輪郭の中音域~低音域を楽しみたい時もあります。そうした時にはゼンハイザーHD25に任せます。ST-90-05 と HD25 を較べると、前者のほうが少し「ボワン」とした音に感じます。
なお、前回の記事でも書きましたが、本機を買ってすぐの音や、ひさしぶりに使う時の最初の音は伸びやかさに欠ける気がします。しばらくぶりの使用の際には、最低でも10分や20分ほどの「慣らし運転」期間を設けたほうが良いと思います。
以前にこの記事でお話ししたとおり、ヘッドフォンそれぞれに音の個性があり、ひとつの曲でもヘッドフォンの数だけ違いが楽しめるものです。しかしユーザーの好みと合わなければ、そのヘッドフォンは間もなくのうちに飽きられ、所有リストから外されます。
私の場合、購入から2~3ヶ月で好き/嫌いが見えてくる感じです。ST-90-05 はどうかるのか、もう少し様子を見てみます。
追伸(2022年11月25日):
アシダ音響の公式オンラインショップによると、OFCケーブルの採用やチューニングの最適化を施した上位モデル「ST-90-07」が登場していました。
追伸(2022年11月26日):
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