島袋コウさん、初のご著書です。
「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」島袋コウ 著(旬報社)
島袋コウさん…ひごろ私が「推して」いる「スマートフォンアドバイザー」、モバイルプリンスさんです。
本書はスマートフォンやタブレット端末を通じてユーザーが触れるSNSを中心としたウェブの世界について、数多くの具体例を示しつつ、知っておきたいことや気をつけたいことを丁寧に分かりやすく解説しています。
モバイルプリンスさんとの出会いは銀座五十音のオーナー、宇井野京子さんからの「ツイッターにすごいスマートフォンユーザーがいる!」という一報がきっかけでした。宇井野さんはもともと、パームパイロットやサイオン、ノキアなどの海外製端末にお詳しくて、その彼女のお眼鏡にかなった人だからきっと凄いだろうということで私もwatchすることに。
プリンスさんは当時すでに「オキラジ(沖縄ラジオ株式会社)」で「スマートフォン王国」という番組のパーソナリティーをされていました。本来は沖縄市周辺を聴取対象としたコミュニティーFM局の番組だったにもかかわらず番組の生動画配信では日本全国からのリスナー、いや「コアなスマートフォンマニアたち」からの人気を呼び、まもなくに東京を始め各地で番組関連イベントを開催する快挙も果たされています。その現象はNHK放送文化研究所が発行する専門誌「放送研究と調査」において検証記事が出たほどです。
プリンスさんについては2回目の東京イベント(2015年)の記事で詳しくご紹介しています。
プリンスさんは以前にお勤めをされていた携帯販売会社でのご経験もあって、最新のスマートフォン&タブレット端末の特徴やスペックあるいは携帯事業者各社の複雑怪奇な料金プランをリスナーに分かりやすく説いてくださるのを得意としています。
2015年頃までのプリンスさんは前述のラジオ番組での活動を通じたマニア達に愛される存在だったのですが、氏の「ひとに分かりやすく説く」という技術はやがて(初心者やご高齢のユーザーなど)一般のスマートフォンユーザーからの支持も集めるようになります。
いまでは沖縄の各地域で開催されるスマートフォン教室の講師として、また学生さんに向けて安全なスマートフォンの活用法を説く講演会へとご活躍の場が広がっているとのことです。これらの取り組みが評価され、2018年からは沖縄県警の「サイバー防犯PR大使」にも任命されています。
本書はプリンスさんが「琉球新報」の小中学生新聞「りゅうPON!」とウェブメディア「琉球新報Style」で連載されていた記事をまとめたものだそうです。
私もスマートフォンのあれこれを知らないわけでもないので「お子さん向けの本ってどうなっているのだろう?」という甘い気持ちで開いてみたところ、使われている言葉こそ平易なものながら内容はかなりハードでちょっと面食らってしまいました。
例えば「バカッター」や「リベンジポルノ」ならどのようなものかすぐに想像が付きますが、「トーンポリシング」とか「ソーシャルジャスティスウォリアー」あたりを私からお子さんに説明する自信はありません。本書ではこうしたキーワードについて、過去の事件や歴史を上手に引用し適切な具体例を挙げつつ解説が行われています。
そしてこれら一見難しいと思われるテーマこそ、スマートフォンを初めて手にする若い方々が知っておくべき事柄であることを再認識します。
もうひとつ大切なのは「これはダメだよ」・「恐いよ」に終始することなく、スマートフォンを使うことの楽しさやメリット、時にお役立ち情報がページの各所にちりばめられていることです。それはプリンスさんがスマートフォンやタブレットをこよなく愛するヘビーユーザーだからこそのものでしょう。
なお「13歳からの」と冠されているのは、あくまで「お約束の枕言葉」であり、実際には30歳でも、いや70歳でも、スマートフォンを使う人であれば誰にでも基本的かつ重要な情報がいっぱい盛り込まれています。
発売後まもなくに重版が決まったとのことで、本書を新たなスタートラインとしてプリンスさんの今後のさらなるご活躍も期待されます。
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