ネコラッチメモ、
またまた大切なことなのでここに保存しておきます。
ネコラッチメモ18
— 和田哲哉 (@wabysprg) 2017年3月6日
今は当たり前のように言われている「スリーブの長いシャープペンは筆記部周辺の視野が広がる」を明言したのは実はボク(中の人)なはずなんだヨ。(2005年・早川書房「文房具を楽しく使う・筆記具篇」P.37)本来は定規を当てるのに最適な製図用シャープペンの仕様ダネ。
私が1997年に文房具のサイト:ステーショナリープログラムを始めた時に苦労したのは、ひとつは筆記具やノートが本来持っている仕様(形状・機能・性質)を読者に認知してもらうためにどのような言葉を用いたら良いかという点でした。
もうひとつは、メーカーがあまり意図していないメリットや性質が製品の中に潜んでいる場合、メーカーの公式な(あるいは推奨している)情報では無くてもできるだけ言及することでした。
ひとつめについて、例えば「筆記感」という言い回しがあります。この言葉は1997年に私のサイトで用い、その後拙著や雑誌の取材でも意識的に紹介し、多くの人やメディアを伝わって今では文房具を評価するキーワードとして当たり前に使われています。
それ以前にすでに「筆記感」を使っている人が居られたら申し訳無いのですが、わざわざ「書き味」と言わず「筆記感」を採用したのには明確な理由があって、それについてご説明が出来るということで「私由来の」と周囲に言って回っています。(笑)
ふたつめの、ペン先の視野について。「筆記具のペン先が細長いと、文字が書かれている部分を見通ししやすい」という意味合いで自身のサイトや、書籍では2005年の拙著「文房具を楽しく使う(筆記具篇)」で言及をいたしました。これは特にシャープペンシルのペン先形状についてのものです。
もちろんメーカーも、文字筆記の際に細い芯先が見えるようペン先(スリーブと言われているパイプの部分)を長くしているのですが、特に製図用シャープペンのスリーブが長いのは、定規にペン先を当てやすいことが一番の目的になります。
最近は、そういった製図用シャープペン本来の理由を忘れ、視野が広いからという理由だけでスリーブが長いと思い込んでいる人も見かけます。そもそも手書き製図の仕事や授業が減っているのですから、間違えるのも仕方の無いことですが。