先日のオルファ・ミニカッターの記事が好評でうれしいです。
その後、無印良品のお店に寄ることがあり、いつもの興味からこちらのカッターナイフも購入してみました。
無印良品 ステンレスカッター・ミニミニ
正式名称は「ステンレスカッター・ミニミニ」らしいです。
オルファのミニカッターとこれとは、「多少見た目を違えていても同じメーカーの同じ製品」と思っていました。ところが並べてみると全くの別物でした。
上:オルファ / 下:無印良品
まず全長が違います。オルファで充分短いと思っていたのに無印の製品はさらに13ミリ短くなっています。
この差には理由があるかもしれません。オルファにも無印にも、ベースとなっている「標準サイズ」の製品があって、それぞれの本体の中間部分をショートカットしてミニサイズに仕立てているようです。無印のは「標準サイズ」の後端部がオルファのそれよりももともと短く出来ていたので、ミニサイズでも同じ差が付いたと推測されます。
無印のほうが小型で可搬性に優れ、見た目も小気味良く、ミニカッターとしての本来の目的により近いわけですが、実際に両者を使ってみますとオルファのほうが格段に持ちやすく、長時間安心して使える印象です。もちろんこれは文房具や工具にありがちなトレードオフ(=あちらを立てればこちらが立たずの関係)ですから、各製品の何をメリットと受けとめるかは人それぞれです。
私は昔、手指でしっかりとホールド出来ないポケットタイプのナイフで怪我をしたことがあるので、ここは持ちやすいオルファを選択するかな…。
クリップの差し込み部の長さの違いが全長に反映している
無印で気になったのは、クリップの本体に差し込む部分の全長が短い事が災いして、クリップがすぐ横にズレてしまうことです。クリップが脱落しそうでもあり、あまり良い感じではありません。
残念ながら無印の製品はクリップがすぐにズレてしまう
いずれも本体はステンレスと記載されています。ステンレスはスチール(=ハガネ)ですから、このように折り曲げる加工は結構大変そうです。
オルファは加工後のひずみが少なくキレイな仕上がりを見せています。無印は実用上問題は無いものの、オルファよりは細部が「わなっ」とゆがんで見えます。しかし無印は、本体はより薄く、曲げ部分はエッジを立たせようとトライした様子が見られ、それぞれが個性になっています。
見た目で大きく違うのは替芯を出し入れさせる「スライダー」という部品の形状です。オルファは黒い樹脂に滑り止めの凹凸を彫ったタイプ。無印はダークグレーの樹脂にひとつだけ凸部を盛った「デザインしました」系のもの。製品の価格が安いとは言えオルファの百均っぽいスライダーの外観はいまひとつで、個人的には後者を推したいところです。でもとっさの時に指先が迷わずスライダーにアクセス出来るのはオルファのほうでした。
それぞれにメリットあり、両方手元に置いておきたい
無印には冒頭の写真の通り専用の替刃が用意されています。オルファはパッケージの裏面に「専用の替刃は販売していません」との記載があります。(もちろん通常のカッターナイフの刃が短くなったら装填可能)オルファのはまだ定番化していない、あるいは応急用というコンセプトなのかもしれません。でもカッターナイフの老舗が替刃を用意しないのは少々寂しい気もします。
これら短い全長の製品たち。折って使える刃は4段しかなく、カッターナイフとして見ると中途半端です。しかし現代の肥後守(ひごのかみ=懐中小刀)と思えば、色鉛筆の芯先を削る用途にぴったりでしたし、作りの悪いポケットナイフよりも工具として立派に役立ちます。
「小さいもの好き」なかたは是非お試しを。