和田哲哉・LowPowerStation

考えて使う・楽しく使う

DAHON DovePlus、「DAHONのご先祖様」と出合う

  

テクノロジーライターの大谷和利さんが久しぶりに東京にいらっしゃるとのことで、お会いさせていただきました。

  

はやいもので昨年11月にユカイ工学さんで開催されたロボットコンテストの際にお声を掛けて頂いて以来。半年以上ぶりです。

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まだコロナ関連が落ち着かない時期ですので、オープンデッキのカフェレストランにて。まずは大谷さんがわざわざお持ちくださったドイツ「テレフンケン」の古いカセットレコーダーと同じく昔のフィリップスのカセットプレイヤーの話題から。

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テレフンケンのカセットレコーダー

 テレフンケンはドイツのテクノロジー企業。現在は業務用マイクロフォンなどでも有名です。いかにもドイツという感じの質実剛健なルックス。写真に写っている丸いパーツは音量調節用のつまみなのですが、中に電池残量を表示するメーターが仕込まれています。ハンドルをつかみながら片手で再生や巻き戻し操作ができるメカニカルスイッチも見どころ。

カセットテープレコーダーとしての基本仕様が全て備わっていながら1969年のモデルとは驚きです。完動品であることもすごい。それにしても「テレフンケン」という語感だけでも笑顔になれます。クラフトワークに曲を作ってほしいくらい。

    

いっぽうのフィリップスは「アメリカ市場を意識しました!」っぽい、ホームユース向けの優しさあるデザインが特徴です。モデル名は「PHILIPS N2000(1972年)」。こちらは「カセットプレイヤー」つまり再生専用です。

カセットプレイヤーと言えばソニーのウォークマン(1978年~)を連想しますが、あちらはヘッドホンオーディオというジャンルとしての先駆者。いわゆる再生専用機であればウォークマン以前からこうして存在していたわけです。

誰でも簡単に使えることをめざしていることがすぐに分かる設計で感心します。カセットを縦にセットするところもイイです。PHILIPS N2000は有名なモデルのようでYouTubeには分解動画も出ていると大谷さんから教えてもらえました。

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カセットを縦にセットするフィリップスのプレイヤー

食事のあとは今回の参加メンバーで都内各所を「ポタリング」しました。大谷さんはその筋では有名な自転車コレクターでもあります。主にフォールティングバイクや、特殊な素材や構造のバイクを中心としたコレクションをされています。

ご実家が東京で、現在もそこにコレクションの一部を保管されているそう。この日はなんとDAHONの初期のモデルをチョイスされ、駆けつけてくださりました。「DAHON Classic III(1986年前後)」というモデルのようです。

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大谷和利さんのDAHON(おそらく1986年代モデル)

いまでこそフォールディングバイクは各社ともにシンプルかつ合理的な折りたたみ方法が開発されていて、備わるパーツ類も一般の自転車と共用・汎用のものが多いですが、初期の頃はまだ様々な試行錯誤が行われ通常の自転車では見ることのできない特殊なパーツや機構上の工夫が投入されていることが分ります。

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この写真だけでも様々な特殊機構を発見できる

試乗させてもらいました。私のDovePlus(アルミ)とは違うステンレスフレームのため多少重量を感じますが低重心で乗りやすく、サイズに反してとても安定した走りでした。せっかくなので、この「ご先祖様」と私のDovePlusを並べて記念撮影。ふたつの間に35年近い時が流れています。

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DAHONの初期モデルとDovePlus

今度はDovePlusを大谷さんが試乗。大谷さんは背がとても高くシートポストを最高位置にセットしました。

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DAHON DovePlusを大谷さんがご試乗

お食事はオープンデッキのカフェレストラン。移動は自転車。各所での会話も屋外で距離を取ってという感じ。もしかしましたら「ソーシャルディスタンス」を守った仕事の打ち合わせにこんな「自転車スタイル」もアリなのではないでしょうか。

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自転車を停め屋外で会話。仕事にもこのスタイルが良いかも?

「ダホン」ってちょっと日本人にはファニーな音感のブランド名ですけれど、こうして初期のモデルを目にすると昔からデザインを大切するメーカーであることが分ります。構成されるパーツや技術は当時の独自のもので苦労が偲ばれますが、トータルとしてとてもオシャレなスタイルに仕上がっていますので。

  

私がDAHONを買ったのは大谷さんの影響が大きいと思います。拙著「文房具の足し算」を書いた頃だったか、この本を編集してくださった石川光則さん(元自転車雑誌&ムック編集長)のご紹介で大谷さんと初めてお会いさせて頂いた時からこれまで、大谷さんは毎回違う自転車で登場され、その姿にあこがれていました。

もちろん神奈川県民の私は当然、子供の頃から自転車には「激しく」乗っていたものの、「ちょっと変化球のある自転車」を「都内で乗る」というところに特段の魅力を感じたのでしょう。そういった夢の都心的自転車生活をDAHON DovePlusがかなえてくれたわけです。

しかしこんな付け焼き刃な私は大谷さんの脚力にはとうてい及ばず、今回の移動では足を引っ張るばかり。都内はとにかく坂が多い。真っ平らな相模原台地とは違います。ちゃんと場数をこなして次回に備えたいと思います。

  

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じつは Dove Plus、ペダルを交換していました。

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 都心を、特にクルマと並走するならばミラーが必須であることが分かりました。DovePlusに付けると折りたたみの際に外さなければならないのですが、それでも安全には代えられません。

   

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