和田哲哉・LowPowerStation

考えて使う・楽しく使う

BlackBerry KEY2 シルバー(使い心地編・特にSIM2枚の運用について)

ブラックベリーKEY2(国内販売版)を 購入して4週間になろうとしています。

すでに多くの媒体やブログでレポートがあがっていますが、ここではいつもどおりの切り口、と言いますかノリでゆきたいと思います。

  

まずKEY2が届いて一番最初に「おっ」となったのはコネクターがUSB-TypeCだったことです。最近の電子機器では当たり前になりつつありますが私にとっては(遅まきながら)初めてのTypeCです。それとKEY2はQuickChargeの規格に対応しているようで、充電電圧が8ボルトを超えることがあります。つまり手元にある充電系のアクセサリーを刷新しなければいけません。順番に取り揃えてゆくことにします。

KEY2の充電池の容量は3500mAh。iPhone6sの1810mAhと比べるとかなり大きめです。昔からiPhoneをはじめとするiOS搭載機の省電力設計には定評がありますし、以前に一度だけ買ってみたAndroid機の電池の減りに辟易したおぼえ(分割払いを残し1年少々で使用を中止した)があるので、私としてはAndroid機についつい疑いの心が生まれてしまいます。BlackBerryのAndroid OS化で一番気になっていたのも電池の減りに関する部分です。

試したところ、近地の出張で丸一日そこそこ使い帰宅時に電池残量が50%を割らなかったので満足です。iPhone6s(バッテリーは新品)で似た使い方をした場合と同程度の減りでした。2枚のSIMを抱えての結果ですから立派かも。

  

f:id:wabysprg:20181008234606j:plain

コネクターはUSB-C。スピーカーはモノラル。

キーボードはサイズもキータッチもおおむね合格点です。 BB PASSPORT よりも軽いキータッチで文字入力はKEY2のほうがずっと楽です。KEY2はPASSORTと同様、キーボード表面を指でなぞるとカーソルの上下移動が出来ます。KEY2のキーボードはPASSPORTのそれよりも角張っているため、カーソル操作時は指にゴツゴツ当たるかな。唯一サイズが大きい、スペースキーのタッチが他のキーに比べ軽いと言うか「ペチッ」と安い音を発するのは気になりました。

あとキーボード用バックライトの照度(周囲の明度に合わせて自動で変化する)はもっともっと明るく設定して欲しいです。(※2019年1月のシステムアップデートで照度を手動で調整できるようになりました。でもまだ少々暗いですが)

  

スピーカーはモノラル(1個)のようで、音質はあまり良くありません。同じくスピーカー1個のiPhone6sの音に劣ります。(※その後入手したiPhoneXRでは、音声出力は耳を当てる側のスピーカーと底部のスピーカー、合わせて2個でのステレオ再生をしていますので、KEY2の仕様と音質はiPhone XRに比べると大きく劣ることになります)

  

日本語変換には「AquaMozc for BlackBerry」という1,600円位する有料のアプリをインストールしました。これにユーザー辞書、と言うか自分で独自に決めた短文変換文字列を大量に入れて使いやすくさせています。

まだAquaMozcの操作に慣れていないので、日本語変換周辺はもう少し使ってからレポートします(待っててね!)。第一印象は「日本語入力環境は、もう少しなんとかならないかな。でもKEY2の処理速度の早さに助けられ、いまのところ我慢して使える」という感じです。

  

f:id:wabysprg:20181008234657j:plain

x1とx2(いずれも1200万画素)のデュアルカメラ

いまや20万円に近づこうとしているiPhoneとは違い10万円を切る価格のKEY2。とは言えBlackBerryとしては最上位モデルなのでデュアルカメラは備わっています。

残念ながらこのカメラの評判は巷ではいまひとつの様子。たとえば「ふたつのカメラの色設定がバラバラ」だとか「食べ物を美味しそうに撮れない」とか。私はまだカメラ機能を深く使っていないので判りません。試しに撮った x1(=広角側のレンズ)での昼間の街撮りは言われるほど悪くなかったです。

今回は構えずに撮った3枚の写真を挙げておきますね。(いずれもリサイズとトリミング以外の加工はしていません)

    

f:id:wabysprg:20181009050435j:plain

BlackBerry KEY2 テスト撮影(x1レンズ・昼間)

  

f:id:wabysprg:20181009050527j:plain

BlackBerry KEY2 テスト撮影(x1レンズ・昼間)

    

f:id:wabysprg:20181127031303j:plain

BlackBerry KEY2 テスト撮影(x1レンズ・夜間)


  

x1、x2(=中望遠のレンズ)のカメラとも光学手ブレ補正機能は付いていませんでした。そのことに買ってから気づきました。。ソフトウェア的な手ブレ補正も有るのか疑問です。低照度時の耐手ブレ性能はかなり低い気がします。

KEY2のカメラで悲しいのは過大なシャッター音。街で使うのが恥ずかしいくらいの大音量なのです。毎回、周囲の人達に笑われます。OSのアップデートの際に一番に改善して欲しい。いや、改善しろ!(苦笑)です。強引に音量を下げるアプリもあるものの、それは他の音楽系アプリの誤動作を生みました。いまはスピーカー部分を指で覆いながらシャッターを切っています。(※2019年1月にシステムアップデートが実施されました。シャッター音は小さくなったかな?という程度の変化です)

  

と難癖ばかり付けてしまったものの、Passportと比較して処理速度(キーの反応速度や日本語変換のレスポンスに直結)が格段に早いこと、Android OSである(BlackBerry OSの時と比べ、アプリに困ることが無い)ことから、まったく実用に耐える、ブラックベリーファンにとって夢のようなマシンであることをお伝えしておきます。

  

なにより、物理キーボードが備わっていることのうれしさで心が満ちています。

・・・そうですね、「スマートフォンに物理キーボード」の是非を何かに例えるならば、ペットの犬や猫みたいと言えば分かりやすいかもしれません。ペットを必要としない人にとって犬や猫の不在は日常生活になにも影響を及ぼしません。でも必要とする人達にとっては、いっときでも欠ける生活なんて想像できないでしょう。

  

閑話休題。

現在 KEY2 には本体色「ブラック」と「シルバー」の2種類があって、そのうちのシルバーにはSIMを2枚装着できることは前回の記事のとおりです。

下の画像は SIM2枚を装着した際のステータス例です。KEY2のシルバー、つまり2枚SIM版を検討している人の多くが「通話について2枚とも4G(LTE)で同時待機するのか、しないのか?」に興味があると思います。私も本当のところ(=KEY2の仕様)は分かりません。

  

f:id:wabysprg:20181009051738j:plain

BlackBerry KEY2、SIM 2枚装着時の様子

言えるのは、まず「ふたつのSIMスロットともに一応4Gに対応している」ことです。スロット的には多分どちらも同等。まずSIMを挿して、それぞれのSIMが4G/3G/2G、どのランクのものかを設定画面で個別に選択できます。

次に「セルラーデータ(=データ通信)」、「音声通話の発信」、「SMS(=ショートメッセージ)」について、2枚あるSIMのどちらに固定して使うかを個別に選ぶ設定があります。(音声通話の発信を片方のSIMに指定しても、音声通話着信は2枚とも同時に有効になっています。ですので、いわゆる音声通話について「DSDS=デュアルSIM デュアルスタンバイ」であることに間違いはありません)

そのほか、SIM1/SIM2いずれか1枚の全機能を無効にするスイッチもあります。

  

私は現在、SIM1にMNO(docomo)のSIM、SIM2にMVNO(OCNモバイル)の SIM(いずれも使用回線はdocomoで、音声通話にも対応)を挿していて、データをSIM2、音声通話の発信とSMSをSIM1に割り当てている状態。さきほどの画面では両方とも「4G」になっていますが、SIM1に通話着信があるとサッとSIM1が「3G」表記に変わります。SIM2に通話着信があると、こちらは「4G」から「H」表記に変わりました。「H」とは「ハイスピード3G」のことなので、いずれの場合も音声通話時は3Gに切り替わっています。

データ通信・音声通話の発信・SMSの全てをSIM1に割り当てると、SIM1に通話着信があると「4G」から「H」に表記が変わりました。このとき、SIM2に通話着信があると「4G」から「3G」に表記が変わりました。

  

これら一連のためしから、KEY2は「データ通信と音声通話の発信とSMSを同じSIMに指定してもVoLTEにならずハイスピード3Gになる」。また「データ通信と通話発信をそれぞれ違うSIMに指定した場合、データ通信を担わない側のSIMの通話は3Gになる」のだと解釈しています。

私としては通話が3Gになってもまったく支障無いので、「SIM1でカケホーダイ、SIM2でパケット」の2枚体制で使えるKEY2シルバーはとても役に立っています。

追記しておきますと、通話とモバイルデータ通信をそれぞれ違うSIMに指定すると通話中はモバイルデータ通信はできないようです。「電話しながらLINEの更新」とか「電話しながらオンラインでチケット予約」などは難しいです。もちろんその時にWi-Fiがつながっていれば「通話+Wi-Fi経由のデータ通信」は可能です。

  

f:id:wabysprg:20181008235012j:plain

シルバーモデルはロゴもシルバーなのでケースに入れてもロゴが目立つ

本当は美しいシルバーボディーのままで使いたいものの、意気地無しなのでケースを買ってしまいました。透明度の高いポリカーボネート製の背面パネルを備える「Ringke Fusion」です。写真の製品は本体色:Smoke Blackです。KEY2シルバーの背面は黒いラバー塗装が施されていますがBlackBerryのロゴ部分はシルバーなので、ケースに入れてもこのロゴがクッキリと浮かび上がります。Ringke Fusion は思いのほかスマートですしストラップも装着出来る(かわいいストラップも1本付属)ので、これはこれで悪くはないものです。

   

f:id:wabysprg:20181008235138j:plain

「変態端末」どころか全くスマートなBB KEY2 シルバー

いまどきキーボード付きなんて時代に逆行したような「スマートフォン」。だからと言ってデザインはご覧のとおりクリーンなもの。先日もお伝えしました私が世界でもっともスマートなデザインのボールペンと思っているアウロラ社の「テッシー」と並べても負けていません。

KEY2は機能的にはいまや立派な「変態端末」に属するものの、スタイルにおいて優れており多くの人々の心をつかむ気がします。世界的にそこそこのヒットになるのでは?と考えています。

ただ(当然ながら)キーボードゆえの使いづらさも少しあり、そのあたり続きは次回にお知らせします。

  

2018年12月22日 追記:

きょうこのページを読み返したところ、特に前半部分がものすごくネガティブな(=KEY2のことを良く書いていない)内容なので、自分で書いておきながらびっくりしました。当時は「本当に大丈夫だろうか?」という疑いの気持ちでKEY2と対面していたのでしょう。あれから2ヶ月以上が経ちましたが毎日うれしい気持ちで使っています。それなので、少し本文を加筆修正もしました。

またKEY2のレポートを書きましたら、ここにリンクを貼ります。
  

2019年1月31日 追記:

いまのところKEY2にて docomo SIM を使ってでは VoLTE での通話を確認できないので本文を加筆修正しました。

  

blog.sprg.jp

  

(以降はAmazonのアフィリエイトです)