和田哲哉・LowPowerStation

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確実に進化した新製品「SOUNDPEATS Breezyオープンイヤーイヤホン」

オーディオアクセサリーのブランド「SOUNDPEATS」は、新製品「Breezyオープンイヤーイヤホン」を発表し10月14日より発売を開始しました。

昨年の末に発売された従来モデル「GoFree2」の時と同様 SOUNDPEATS より製品の提供を受けましたので、今回は両モデルの比較を行いながらBreezyをご紹介します。

    

今回は SOUNDPEATS 様(以降は敬称略)より製品を提供いただいての記事です。レビューの内容について同社からの指示はされておらず、私の主観に基づいて自由な製品評価をしています。画像はすべて当ブログで撮影したものです。

  

1.BreezyはGoFree2のバリエーション

昨年12月に登場したSOUNDPEATSのオープンイヤーイヤホン「GoFree2」。当ブログは同社より製品の無償提供を受け、これまでに次のふたつの記事を公開しました。

  

blog.sprg.jp

blog.sprg.jp

  

これらの記事を書いただけではなく、GoFree2 はそのまま私の「第一線」で活躍するヘッドフォンのひとつにもなっています。

そのようななか、SOUNDPEATSは新製品「SOUNDPEATS Breezyオープンイヤーイヤホン 」を発表し、2024年10月14日よりAmazon日本での発売を開始しました。

SOUNDPEATS Breezyオープンイヤーイヤホン

  

GoFree2と今回のBreezyは、いずれもドライバー(=音が出る部分)が耳穴を塞がないタイプの「オープンイヤーイヤホン」です。つまりBreezyはGoFree2からのバリエーション追加になります。

GoFree2の登場から1年経たずして登場したBreezy。両者の違いはどこなのか、追ってみたいと思います。

「GoFree2」 と 新製品「Breezy」

  

2.製品仕様

SOUNDPRATSが公開しているBreezyの主な仕様は次のとおりです。

  
デザイン
・最大90°まで調整可能なイヤーフック
・耳をふさがないオープンイヤーデザイン
・安定した快適な付け心地

音質
・12mmデュアルマグネットダイナミックドライバー
・ダイナミックEQ(低音強化アルゴリズム)

性能
・AI通話ノイズキャンセリング
・マルチポイント機能
・Bluetooth5.4
・低遅延ゲームモード

高いコストパフォーマンス

再生時間
・イヤホン単体で10時間
・ケース内充電を加えると最大40時間の稼働

専用アプリ「PeatsAudio」対応
・タッチ操作のカスタマイズ
・イコライザー調整
・ダイナミックEQのON/OFFなど

受賞実績
・「VGP 2024 SUMMER 金賞」
・「VGP 2024 SUMMER 企画賞」

「Breezy」と充電機能付き専用ケース

 

  

3.外観(回転式のイヤーフック)

まずは外観。ドライバーからクルンと生えた弾力性のあるイヤーフックを備えた基本スタイルはGoFree2・Breezyともに同じです。

Breezyについては新たにフックの根元に回転機構が備わりました、90度の範囲で任意の角度にフックを留めることができます。フックの回転には軽いラッチ動作(=「カチャカチャ」っと段階的に固定する仕組み)がともないます。

回転式のイヤーフック(Breezy)

  

GoFree2の場合ですと感覚的には「イヤーフックを耳に掛ける=ユーザーが聴く音」だったのに対し、Breezyでは「まずはイヤーフックを耳に掛け、その後、音質が最大限良くなる場所にドライバーの位置を微調整」できるようになりました。

  

実際に耳に装着してみると微調整が可能な範囲はラッチにして±1段程度。つまり計3段の角度から選ぶ感じになります。たった3段でも、ドライバーに開けられた高音域〜中音域を担うスピーカー開口部の位置は耳穴の上空で大きく振れますので、それぞれの角度での音質の差は明確に変化します。

  

欲を言えば、ラッチで固定する力はあと少し強めにしてもらいたかった。私の手元にある個体はラッチの段階固定の強度が低めなので、微調整が少々心もとない感じではありました。

  

耳へのフィット感は、正直なところ私の耳ではGoFree2のほうが若干上でした。GoFree2の「適度なひねりと弾力性」を持ったイヤーフックによって、ドライバーが耳穴の上にほんのりと押さえつけられていることをかすかに知覚できます。

対するBreezyは装着していることを忘れるほどに装着感が皆無で、それはそれで素晴らしいことではあるものの、同時に不安にもなります。

    

事務所デスクでの私はいつもメガネ(老眼鏡)をしています。GoFree2でもBreezyでも、イヤーフックはメガネの「ツル」と耳たぶの上で重なりますが、特に違和感はありませんでした。

Breezy のドライバー部を上面と下面から見る

  

4.音質

これは私にとっての大きなプレゼントでした。GoFree2もBreezyもドライバーには「高音~中音域用」と「低音域用」のふたつの開口部を備えていますが、Breezyに関してはそのどちらの開口部からの音質もパワーも改善されていました。

高音域も低音域も改善が見られたBreezy(右)のドライバー

  

まず「高音~中音域」。以前よりも強調傾向の設定です。でも単に「音がきつくなった」のではなく、実運用上を考慮してGoFree2で足りなかった部分が補強された印象です。

周囲の雑音に邪魔されがちな屋外では「高音~中音域」はこれくらいの設定のほうが楽曲の輪郭をつかみやすく、適している気がしています。

上の画像を見るとわかりますが、Breezyの高音〜中音域側スピーカーの開口部面積はGoFree2のそれにくらべて数倍大きくなっています。この大きな開口部で耳穴に効率良く音を「浴びせて」いるのかもしれません。

  

具体的には聴ける曲のジャンルに幅が出来ました。特にGoFree2が不得意だったパワーのあるロック系において、音量を上げても音がダンゴ状にならず各音がよりスッキリ明瞭に聴こえるようになっています。

低音域もGoFree2より量感を感じます。オープンエアのイヤホンにもかかわらずサイズの大きいヘッドフォンに匹敵する豊かな音場を感じることができます。

また、際立つ高音域と豊かな低音の量感とがバランス良く組み合わさっていて、曲の中に埋もれがちなエレキベースを聴き分けるのが容易になりました。そのおかげで私の大好きな細野晴臣さんやYMOの楽曲を楽しく聴けます。

オープンイヤータイプの性質上どうしても音漏れしてしまうことを気にしなければ、私がメインにしている密閉型ヘッドフォン「ゼンハイザーHD25」の働き場所を奪ってしまいかねない勢いです。

GoFree2 , Breezy とも専用アプリ「PeatsAudio」でコントロール

  

5.専用アプリ「PeatsAudio」

Breezyはそれ単体でも稼働するものの、スマートフォン用アプリ「PeatsAudio」の併用によって音質調整や本体操作の設定作業を行えます。PeatsAudioには、ユーザーの聴力測定を手軽な手順で実施してイコライザーを自動的にカスタマイズするメニュー「アダプティブイコライザー」もあります。私はこのアダプティブイコライザーをONにして使っています。

( これまでGoFree2で使用していた専用アプリ「SOUNDPEATS」もこのPeatsAudioに統合されました)

Breezy をケースに収めた様子

  

6.ケース

Breezyにも専用の充電機能付きケースが標準で添付されます。ケースへの充電はUSB-Cコネクター経由。短いUSB-Cケーブルも同梱されています。

Breezyのイヤーフックを重ね合わせて収納するアイディア等により、専用ケースのサイズはGoFree2のケースと較べ体積比で2割ほどコンパクトです。スリムなバッグを持ち歩く人にはかなりうれしい違いだと思います。

コンパクトになったBreezyのケース

ケースの表層は(私が苦手な)ソフト樹脂コーティングはされておらず、カチッと硬質な仕上がりです。いっぽうのGoFree2のケースはソフト樹脂塗装仕上げでした。

素材的にはBreezyのケースが好みですけれど、ソフト仕上げでないぶん手指への「吸い付き」は悪く、ケースの開閉には手間どるようになりました。加えてBreezyではケース収納時にイヤーフックを折りたたむ動作も必要なため、ケースの出し入れについてはGoFree2の時よりも使い勝手は後退しました。

  

上面に「S」のロゴイメージをあしらったデザイン

  

Breezyのドライバーおよび専用ケースの上面にはSOUNDPEATSの「S」のロゴイメージが大きく配されていて、その部分は特殊な表面加工が施され、さしこむ光の角度によってキラキラと輝きます。

  

7.徒歩における低音振動がわずか

これはGoFree2の二回目のレビューで詳報しました。ヘッドフォンケーブルが無く、かつ耳穴に挿し込まないオープンイヤーイヤホンという形式により、歩行時において耳穴内に不快な低音振動がほとんど回り込みません。耳への負担が少なく歩けるのはGoFree2やBreezyの最大のメリットです。このメリットだけで私は両製品を強く推せます。

  

耳穴に挿さず、イヤーフックを耳に掛けただけで歩くのには心配があるかもしれません。しかしBreezyは軽量(片方で10gほど。GoFree2で9g)ですので、耳の形状にもよりますが、私は多少の駆け足でも耳から落ちることはありませんでした。

  

8.試聴

いくつか思い当たる楽曲を試聴してみました。そのなかでも今回は「Breezyだから聴けるようになった」ものを挙げてみます。(本稿は執筆途中)

  

荒井由実のアルバム「ひこうき雲」は発表年こそ古いものの「分かりやすい録音の日本のポップス」としてリファレンス(参考基準)盤にしています。この中の「空と海の輝きに向けて」で淡々と演奏される細野晴臣氏のベースが他の音とよく分離されて明瞭に聴き続けられるところにBreeezyの良さを感じます。

空と海の輝きに向けて

空と海の輝きに向けて

  • 荒井由実
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

  

これも細野晴臣氏のベースを聴くのが目的です。特に「薔薇と野獣」はヘッドフォンの種類によってはベースを認識しづらいものがあります。ここでもBreezyの明瞭な高音域と豊かな低音の相乗効果を確認できます。

薔薇と野獣

薔薇と野獣

  • 細野晴臣
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

  

GoFree2の時は音量を挙げるとダンゴ状に固まって聴こえてしまい苦手だったヘビーなロック系。Breezyでは各パートの分離が良くなり顕著な改善が見られます。ちょっとドンシャリ気味ですが雑音の多い屋外での聴取には曲の輪郭を把握できる点でこの位でもいいでしょう。

Scene Seven: I. The Dance of Eternity

Scene Seven: I. The Dance of Eternity

  • ドリーム・シアター
  • メタル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

  

GoFree2の時にご紹介した女性ボーカル系「Sarah Menescal」の「Time After Time」をBreezyでも聴いてみましょう。その特性からBreezyのほうが高音が過度と思われ、ここはイコライザーで合わせたいところです。ただベースがしっかり前面に出て聴こえ、その点においてはベース好きにたまらない感じです。

Time After Time

Time After Time

  • Sarah Menescal
  • ジャズ
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

  

番外編。こんな小型のイヤホンでも豊かな音場を楽しめるということで「ザ・ジェントル・ピープル」の「Underwater」を挙げます。録音はそれほどでもないですが、Breezyの性格と実力を楽しめる一曲です。

Underwater

Underwater

  • ザ・ジェントル・ピープル
  • エレクトロニック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

  

以上すべて、専用アプリPeatsAudioの「アダプティブイコライザー」をオンにして試聴しました。メーカーが提案する最新のモードがその機種の性能をはかるデフォルトであるべきという観点からそうしました。

  

8.まとめ

以上からGoFree2とBreezyとの間には各所において明確な違いがあることがわかりました。自分が聴く楽曲的には今回登場のBreezyが好みとなりましたけれど、シンプルな作りによる装着の簡単さやキラキラしすぎない音質などGoFree2にもメリットはあり、それぞれが良き個性と言えそうです。

今後も試聴を進めてみたいと思います。

  

9.キャンペーンクーポン

SOUNDPEATSからのアナウンスです。Amazonで使えるクーポンコードだそうです。他のクーポンと併用も可能とのことです(下記)。

  

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対象商品:SOUNDPEATS Breezy
クーポンコード:BRZYBKHR3
割引:5%OFF
・開始日:2024/10/17 00:00JST
・終了日:2024/11/10 23:59JST
通常価格:6680円
5%OFFクーポンコードはAmazonリンク先掲載のクーポンと併用することができます。

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(ご注意:以降はAmazonのアフィリエイトリンクです)

・Amazonでの購入時は販売業者や価格、送料等に注意しましょう。

    

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