ヘッドフォン関連のパーツが収まっている引き出しを開けたら、以前に使っていたゼンハイザーのPX200-IIが出てきました。
リモートワーク時代。こういうライトなヘッドフォンを見直すのも良いかもしれないと思い、ひさしぶりに試聴してみることに。
PX200-II は非常にコンパクトなドライバー・ハウジングを持った密閉式ヘッドフォンです。私はもともと、このモデルの前身であるPX200の無印(つまり I 型)を所有していました。そしてそれが、私が最初に買ったゼンハイザーブランドのヘッドフォンでもありました。
折り畳むと手のひらに収まってしまう位の小さなモデルながらその音はクリアで、低音こそ足りないものの音の輪郭を明確に捉えることができて好印象でした。PX200の音の傾向が好みだったため、のちに同社のHD25を買い足して「ゼンハイザーの道」を突き進むことに。
残念ながらPX200は I型も II型も生産終了品です。公式サイトを確認したところ、これらに相当するフィーリングの後継モデルも見当たりませんでした。
最初のPX200は使い潰してしまったのですが、のちに id:masawada さんが買った2台のPX200-IIのうちのひとつをもらい、それがこの写真のモデルになります。
I 型・ II 型ともに切り欠きをもったヘッドバンド部分を交差させる巧妙な仕組みによってコンパクトに折り畳むことができます。しかもI 型にはスタイリッシュなハードケースも用意されていました。II 型は残念なことにヘッドフォンケーブルの途中に音量調整スイッチが追加され、ハードケースはセットされていませんでした。I 型と II 型とではハウジング部分のデザインに違いが見られ、詳細は失念しましたが音質にも若干の違いがあったように思います。
試聴です。まずはMacBookのヘッドフォンジャックに挿してみます。久しぶりにヘッドフォンのドライバーに信号を注いだためか、出始めは音楽性に欠けた平板な音。10分ほど慣らしをさせて、その後MacBookとFiioのBTR5(※1)とを何度か交互に接続し慎重に比較してみます。MacBookのヘッドフォンアンプもPX200-IIを駆動させるのに不足は無いですが、BTR5は一段解像感について勝り、艶やかさや楽器の分離などしっかり表現します。
(※1:BTR5はMacBookのUSB端子に有線接続のDACモードで試聴)
同じくゼンハイザーの密閉式ヘッドフォンであるHD25と並べて比較すればPX200-IIの音のスケールの小ささがあらわになるのは当然ながら、PX200-IIだけを聴いている限りでは途中で外したくなるような事は全く無く、もし「これを一日使っていなさい」と言われても不満はありません。低音域のふくらみの無さと先詰まり感は否めないものの、高域はそこそこ艶やかで中音域による暖かみも不足は無く、ジャズ系ならそれなりの「ラウンジ感」も得られます。しかもこんなライトな作りのPX200-IIでもBTR5とBTR3Kの音の違いを聴き分けることもできます。小さくてもゼンハイザーのモニター的な性格を知るところです。
さらに意外だったのは、PX200-IIもHD25もドライバーの直径は32mm(実測)前後と、ほぼ同じということです。もちろんドライバーの性能はその直径だけではなく、ボイスコイルの作り、振動板の種類、振動板の可動量など様々な要素の集合で決まるものの、PX200-IIのクリアな高音域~中音域については、本機の見た目の印象に惑わされず評価するべきと感じたのでありました。
低域が「無い」ぶん、耳疲れは少なそうなので、オンラインミーティング時のモニターにはベストな機種と言えます。
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ヘッドフォン関連についてはもうひとつのことが進行中。
HD25です。とうとうヘッドバンドに穴も開けてしまいました。このあと無事配線が成功するのか。この日はここまでで気力が途絶えました。いつかまた作業を再開しようと思います。
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