和田哲哉・LowPowerStation

考えて使う・楽しく使う

ゼンハイザーHD25を等長ケーブル+バランス化+Bluetooth仕様にしました

  

※ご注意:本記事は2018年のものです。当ブログでは現在、AUKEYの製品はお勧めしていません。

    

ようやくゼンハイザーHD25をバランス化させました。
今回盛り込んだのは次の3つの要素です。


1.L/Rケーブルの等長接続
2.バランス化
3.Bluetooth対応

  

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等長ケーブル+バランス化+Bluetooth仕様にしたHD25

  

使い始めて14年以上(ただし現在の個体は2013年に買った2台目)になるゼンハイザーのヘッドフォン:HD25 。ユーザーが気軽に各部のパーツを交換できるその仕様から、以前は主に「リケーブル」つまりヘッドフォンケーブルの取り換えによる、見た目や音質の変化を楽しんできました。

それが2018年の夏には、AUKEYのBluetoothレシーバーをヘッドバンドの側面に取り付けるべく、ヘッドフォンケーブルのショートカットとL型プラグ換装を行ってHD25の最初のBluetooth化を実現。快活な音をワイヤレスで楽しめるようになりました。

  

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AUKEYのレシーバーによる最初のBT化HD25

まもなくにFiio社から音質にすぐれたBluetoothレシーバー「BTR3」が登場。AUKEYからFiioへとBluetoothレシーバーの置き換えをします。この時、レシーバーの機種変更にも柔軟に対応できるケーブル配置が功を奏しました。

  

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Fiio BTR3 により高音質になったBT化HD25

その後、Fiioは2019年にBTR3の上位モデルとなるBTR5、またBTR3の後継モデルとして2020年にBTR3Kを発表します。

これら新機種もこれまでのショートカット配線に手を加えずにBTR3からの置き換えはできます。しかしBTR5とBTR3Kは新たにヘッドフォンのバランス出力ジャックを備えていました。このため、BTR5とBTR3Kの購入を契機にHD25の配線のバランス対応に着手しました。

  

***

  

1.L/Rケーブルの等長接続

もともとゼンハイザーHD25は「片出しケーブル」仕様のため、ドライバー(=スピーカー部)からヘッドフォンプラグまでのケーブル長が左右で大きく違っていました。このことを容認するのならば、HD25に取り付けるBluetoothレシーバーの位置は下の写真のとおり右側ドライバーの近くになります。

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Bluetoothレシーバーを右側にセットした様子

しかし今回はドライバー~ヘッドフォンプラグ間をバランス化させるということで、せっかくならば左右のケーブルを等長(同じ長さ)にして、HD25ができる音質を最大限に引き出そうと考えたのです。

  

ここで「そんなにケーブルにこだわらなくても」という意見もあるかと思います。なかなか信じてもらえないのですが、ケーブルの種類や長さの違いによるヘッドフォンの音質への影響は相当なものなのです。

私も数年前まではそのことに懐疑的でした。けれども昨年、オリジナルヘッドフォンケーブルの作家さんにケーブルの製作を依頼した際、作家さんの手違いが原因で同寸法ながらケーブルの導体の種類が違う2組のヘッドフォンケーブルを作ってしまうという「事件」がありました。私は興味もあってこの2組をそのまま買わせて頂き音の違いを比較したところ、1本は「中音域にギャップはあるけれど快適」、もう1本は「低域が力強く私の耳には負担が大きくて長時間の聴取には厳しい」という、それぞれまったく違う音質を表したことを確認できたのです。

導体の変化だけでこれほど音質に変化が出るのであれば、左右で20cm近く違うケーブル長が音質に影響を与えないはずがありません。

けれども等長にすれば当然、ヘッドフォンプラグはヘッドバンドの頂上付近に出てきます。そうなりますと、頂上から生えたプラグを受けとめるBluetoothレシーバーはヘッドバンドの上部に据え付ける必要があります。しかもケーブル長を最短にするのであれば、上部中心から少しオフセットした位置に設置するしかありません。

  

2.バランス接続

BTR5とBTR3Kに新たにそなわったバランス回路に接続するのに必要なHD25側の対応は、ヘッドフォンプラグを「φ3.5mm3極」から「φ2.5mm4極」に変更することです。これまでもヘッドフォンプラグの配線は実施してきたものの、バランス回路用の4極の小さな配線は3極の時の数倍神経を使いました。

  

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バランス化のためヘッドフォンプラグを変更

果たして、バランス化によって得た音質は素晴らしいものでした。アンバランスとバランスとの音の違いはAventho Wiredの際に体験していたものの、高域が伸びるHD25では曲の出だしから笑顔になってしまいます。ここでも「一度バランス化したら後戻りできない」ことを再度実感しました。

肝心の左右等長とケーブル短縮の効果も確かめたいのですが、あいにくバランス+不等長のケーブルは作っていないので比較が出来ません。もっとも、ケーブルについて物理的にこれ以上の構成は無いので、このままで良しとします。

  

3.Bluetoothレシーバーの設置

ヘッドバンド上部近傍にBTR5またはBTR3Kを設置することとなり、その実施方法をいろいろ検討しましたが、ここはどうしてもレシーバーを固定するための台座を据え付けるしかないという結論になります。そして台座をヘッドバンドにしっかり固定するために、(いよいよ)ヘッドバンドに穴をあけてネジで固定する方法を採用しました。

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レシーバーの台座は2本のネジでヘッドバンドに固定

台座は軽さと柔軟性を考えて樹脂素材を用いました。この四角い「タブ」にBluetoothレシーバーをクリップオンします。残念だったのはBTR5とBTR3Kとでクリップのサイズに違いがあったことです。このためクリップをしっかりここに固定させるためには機種毎に最適化したサイズの台座を用意しなければなりません。

さて、HD25に接続するレシーバーをBTR5にするかBTR3Kにするか。今回は軽さと取り回しの良さを重視してBTR3Kに決定しました。

  

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 以上の変更によって、一見ファニーな外観のHD25が出来上がりました。

  

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一見ファニーな外観の「等長+バランス+BT化HD25」

  

ヘッドバンドの後方にBTR3Kが浮遊しているようです。・・・ケーブルを等長にしたメリットもあります。右側ドライバー周辺にあった取り回しのケーブルが無くなり、左右ドライバー周辺がとてもスッキリしました。

  

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ヘッドバンド後部に「浮かぶ」BTR3K

単体の写真ですと奇異なルックスですが、頭に装着してしまうとBluetoothレシーバーは意外と目立たず、これなら屋外に出かけても電車に乗っても大丈夫なのでは?という感じです。

  

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頭に装着すると見た目の違和感は少なめ?

充電の際にはBTR3Kをヘッドバンドに付けたままでUSB-Cケーブルを接続できます。

  

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BTR3Kをヘッドバンドに付けたまま充電

  

これまでいくつかの「HD25+Bluetoothレシーバー」にトライしてきましたが、一連の実験はここでいったん終了とします。今後もHD25でいろいろ遊んでゆきたいと思います。

  

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