和田哲哉 -LowPowerStation-

文房具ジャーナリスト /「信頼文具舗」店長 / 和田哲哉のブログです

春から動き始めるダイアリー:「クオバディス・プレーン」

きょうは私が関わっている製品からひとつ取り上げてみます。単なる販促になるといけないので、役立つ情報を添えて。

  

信頼文具舗では毎年、たった2種類のダイアリーを販売しています。ひとつめがルナワークスさんの「和暦日々是好日」です。

  

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ふたつめが、今回の主役:「クオバディス・プレーン」です。

「クオバディス(QuoVadis)」はフランスの有名手帳ブランド。なかでも「プレーン(Plain)」は一番ページ数が少ない、同ブランドの末っ子に位置する製品です。

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QUOVADIS PLAIN

  

1.プレーン販売のきっかけ

もともとは私が2003年頃に「プレーン」を気に入ってしまい、私のサイト:「ステーショナリープログラム(記事更新は休止中)」でご紹介したのが最初のきっかけです。

当時はクオバディス製品を地方で入手するのが難しかったことから、ご紹介した翌年には信頼文具舗においてプレーンの取り扱いを開始しています。以来17年間、あまたあるクオバディス・ダイアリーの中で信頼文具舗はこれだけを販売継続中。いまさらながら自分でもびっくりしています。

  

2.近年、不思議な現象が

これまでの17年間にプレーンを買ってくださっているのは、ほとんどが初期のステーショナリープログラムをご存じのお客様でした。そのためプレーンを購入されるのはダイアリー対象年前年の9月から11月の間に集中します。ところが最近は対象年に入ってから再び注文が入り始め、春以降の動きがもう一度活発になります。当然、それらのお客様は「プレーン」のご新規さんです。

この現象が顕著になった昨年、ご新規のお客様にヒアリングしてみたところ、多くのかたから「もう大きな手帳は使い切れなくて」というお声が出てきました。なかには名指しで「xxxxxxxxxに疲れたので」といったコメントもありました。

張り切って使い始めた手帳について、2~3ヶ月使ってみて「これじゃない」と思って買い替える話はよく耳にします。私もつねづね、自分の生活に合わない手帳は年の途中であっても買い替えを検討しましょうとご案内しています。

それにしても「途中買い替え組」が増えているということは、(紙の)手帳初心者自体が増えているのか、それとも何かに躍らされて大きな手帳を買ってしまった人が多いのか、そこはまだ分りません。

  

3.ここでプレーンの仕様を

肝心な「プレーン」の仕様をまだご紹介していませんでした。ページを閉じた時のサイズは100mm x 150mm。ほぼ「ポストカード」のサイズです。分類としては「A6判ノート」に相当します。レイアウト(紙面)はご覧のとおりです。

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プレーンのレイアウト

  

見開き1ページに1ヶ月分のスケジューラーとメモ欄が配されています。この中で「1日」は細い横1行のみ。これでは足りないと思われるかもしれません。それは、プレーンに書ききれないことはスマートフォンやタブレットに任せるからです(詳細はのちほど)。

ページ右側のメモ欄は見開き面積の30%近くを確保し、結構な広さがあります。メモ欄は5つの項に分かれ、それぞれに「連絡先」や「やること」などのタイトルが付いていますが、タイトル通りに使う必要はありません。スケジューラーで書き切れなかったものを記してもかまわないでしょう。

次の画像では、記入例を示します。ページの上から下で1ヶ月となるため、「期間」を示す直線を引きやすいメリットがあります。

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プレーンの記入例

  

A6判ノートとは言いましたが開けばA5サイズ。手帳としては狭さは感じません。また総ページ数が少なくステープル(ホチキス)綴じですから、このようにページが平らに開き、記入はラク。細字の筆記具で小さい文字を書くのにもあまり負担には感じません。

  

デメリット(?)もあります。このプレーン。世界的に見ても総販売数は少ないらしく、他のクオバディスダイアリーのような「各国対応版」が作られていません。日本で流通している正規輸入品のほとんどは日本の暦を反映した日本版ですが、プレーンについては日本版はおろか英語版も無く、本国版つまりフランス語モデルのみとなっています。実際には、使って困ることはほとんどありませんけれど。

  

4.少ない紙面ゆえのスリリングな体験を

上の画像から、プレーンに「書けること」や「書ける量」をだいたいお分かりいただけたかと思います。

これまで大きめのサイズの手帳を持て余していた人でしたら、プレーンにギュッと凝縮して書くことによって「手帳をちゃんと使っている感」を得られるはずです。

プレーンでは紙面が足りない人も出てくることでしょう。その場合は、すぐに「これはダメ」と判断せず、いろいろ工夫してみてください。「いかにしてプレーンで切り抜けられるか」、そのスリリングな体験も楽しんでいただきたいのです。

 慣れるまでに3ヶ月はかかると思います。毎月、少しずつでも違う記入方法を試してみて、一番ベストなものを探る感じで進めます。

  

5.ノートやスマートフォンとの連携は必須

プレーンを上手に使うポイントはひとつ。プレーンを「スケジューラー(予定表)」と「ダイアリー(日記)」のどちらの用途で使うのか、意識することです。両方を収容するには紙面は足らないと思います。

どちらか片方を記入すると、もう片方はプレーン以外の場所に置く必要があります。その人の好みとスキルに合わせて紙のノートやスマートフォン、タブレット類を併用します。

  

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情報の置きどころを考えて使う

  

「プレーンはスケジューラー用途のみ。ダイアリーは別のノートにじっくり書く」、「スケジューラーはスマートフォンに。プレーンにはその日の出来事を1行だけ記入する、ひと言ダイアリーに仕立てる」などが考えられます。

いまはスケジューラーもダイアリーもクラウド上に保管する術(すべ)があり、スマートフォンの買い替えや故障でデータが消失する心配は減りました。とは言え、装置もネットも使わずに過去の情報を振り返ることのできる「紙」のメリットは、これから先も変わりません。

このスリムな一冊に何を置くことができるか、何が期待できるのか、一度検討してみる価値はありそうです。

  

 6.極細ペン先の筆記具が活躍

プレーンに「投入」する筆記具。これも書き入れたい情報の総量やユーザーの好みでバリエーションがあるかと思います。情報量が少ないのならば中字のペン先でざっくりと書き入れるのも味があります。

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極細ペン先の筆記具が活躍

  

近ごろは芯径が0.2mmというシャープペン:「オレンズ」や、0.28mmのペン先を持つ「ジェットストリームエッジ」など極細系の筆記具が続々と登場しています。プレーンをこうした極細系筆記具の活躍の場としてみるのも良いでしょう。

うれしいことにプレーンに使われている用紙はパキッと硬質で表面は平滑なため、極細ペン先での小さな文字の書き入れ相応しいものです。紙の白色度が高くインクが映えるのも特徴です。

  

7.プレーンから再スタートを

そもそも紙は重いもの。余分なページを抱えていない本品は、持ち歩き用品の軽量化にも大きく貢献します。

プレーンは標準でPVC(ビニール)素材のカバーに収まっています。これで物足りなければ信頼文具舗で用意しているA6サイズの上質な本革製ノートカバーもあります。

  

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A6判ノート用のレザーカバー

私の長年の思い入れもあって、プレーンを使って困らない態勢は整っています。その名のとおり、すべてがシンプルに仕立てられたプレーンを手にして、手帳を再スタートさせてみるのはいかがでしょう。  

  

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