1.最初はふたつの W-NIKKOR から
「ニコン最新のミラーレスに70年以上前のオールドニッコールを」というロマンチック(?)な思いも込めて今年入手したふたつのレンズ:
・W-NIKKOR 3.5cm f3.5
・W-NIKKOR 3.5cm f2.5
それぞれが、外観に写りにと個性があり、手放せない存在となりました。

(W-NIKKORについては過去記事もご覧ください)
これら W-NIKKOR は、ニコン(当時は「日本光学」)がかつて製造していたレンジファインダー機「ニコンS」シリーズのために作られたレンズです。
一眼レフ機用のレンズとは違い、レンズマウントアダプターを加えてもレンズの全長を短くでき、オールドレンズでありながらZfをコンパクトに仕立てられるのがメリットです。
そんな「性能より見た目優先」での入手だったのに、使い始めてみると写りがかなり良く、逆光さえ避ければオールドレンズらしさを出すのが難しいくらいにシャープで色乗りの良い画を見せてくれるのでした。
これには、ニコンのZシリーズが「センサーを保護しているガラスの厚みが薄く、フィルムカメラ時代のレンズを装着しても光学的な問題が少ない」という仕様的な背景もあるようです。
(センサー保護ガラスと光学的特性の関係)
ちなみにW-NIKKORレンズの購入を後押ししてくれたのは「まきりな」さんの動画でした:
2.NIKKOR-H.C... へ
W-NIKKOR レンズの写りに気をよくした私は、もうひとつのオールドニッコールもwatchすることにしました。
同じく「日本光学」時代に作られた NIKKOR-H.C 5.0cm F2 です。

今回入手した NIKKOR-H.C のレンズは、さきほどのW-NIKKORレンズの「ニコンSマウント(※1)」とは違う、古いライカまたはライカ模倣機が採用していた「L39」マウントです。
1940~1950年代、日本光学は他社のレンジファインダー機にレンズを供給していた時期がありました。私が購入したこのレンズは、当時あったL39マウントの国産レンジファインダー機「nicca」に供給していた物のようです。
(※1:「ニコンSマウント」にはさらに「外爪」と「内爪」、ふたつのタイプがあります。W-NIKKOR 3.5cmレンズは外爪タイプです)
YouTubeのチャンネル「キョウトボーイズ」さんには、私と同じくNikon Zf に NIKKOR-H.C 5.0cm F2 を組み合わせての紹介動画があります。
3.Zf への装着
NIKKOR-H.C 5.0cm F2 を Nikon Zf に装着するのには、レンズのL39マウントをZマウントに変換する必要があります。
私は「L39→ライカM」と「ライカM→ニコンZ」、ふたつのマウントアダプターを重ねました。後者はヘリコイド付きのマウントアダプターです。

このレンズの距離環(=フォーカスリング)には小さな「ツマミ」が付いていて、まずは無限遠の所でツマミにロックが掛かっています。ツマミを押してロック解除し距離環を回すと、3フィート(約90cm)の所でクリック感があります。さらに回し、最短撮影距離は1.5フィート(約45cm)です。
3フィートでクリックがあるのは、レンジファインダー機のファインダーで測距できる範囲が最短で3フィートであるためだそうです。
本レンズの最短撮影距離に加えマウントアダプターのヘリコイドを回すことで、最短距離は30cm前後まで寄せることができます。
4.試写
ざっくりと試写してみました。
私の個体においては、開放F2では合焦部での解像度・コントラストともに低く、それより遠い部分のボケもあまり美しくなく、全体的に平板な写りになっています。F4にすると合焦部での解像度が高まると同時にボケにも落ち着きが出てきて画に立体感が出てくる感じでした。世の中の評判を見回しても、このレンズは少し絞ったほうが好評価のようです。

雨上がりの町の風景を撮ってみました。強い光や逆光を避ければ、ごく自然な写りを見せてくれます。

本レンズの売りであるシャープさも確認してみましょう。

次に夕暮れ時の風景です。Zfの色乗りの良さもあいまってオールドレンズらしさは希薄です。

下はこのレンズを買ってよかったなと思った1枚です。「植物+優しさ」を表現したいときに好適なレンズになるかな?と思っています。

繊細かつキリリとした画も出せます。

いまいちど、Zfの色乗りを確認してください。

逆光や明暗差は避け、いっぽうZfの高感度特性を利用しての「暗がり」撮影には合っている気がします。これも優しい画になっています。

今後はもう少し明るいところも撮ってみたいと思います。
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