和田哲哉・LowPowerStation

考えて使う・楽しく使う

みんな大好き。ニコンのレンズフード HN-3

きょうの話題は「レンズフード」というパーツです。カメラに興味がない方にも読んで頂けるよう頑張ります。

  

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ニコンのレンズフード「HN-3」/ Nikon Japan

型番:「HN-3」。日本のカメラメーカー:「ニコン」の純正パーツです。レンズフードはその名の通り、カメラのレンズ先端部分に取り付けます。

  

レンズフードの第一の機能的役割は「目的以外の光の流入を遮る」ことです。レンズを被写体(=撮影対象物)に向けると、その方向からの光をレンズが捉えてカメラ内のセンサーに導きます。しかし被写体とは関係の無い方角からの光がレンズに差し込むと、その光がレンズ内で不本意な像を生んだりして撮影画像に悪影響を及ぼします。レンズフードは撮影画像の品質向上につながる大切なパーツと言えます。

またカメラを持つ指先が不意にレンズの視野に入り込んでしまうのを防ぐ役目もあります。

  

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HN-3 装着例( Nikon D7200 )

レンズフードにはもうひとつの機能的な役割があります。レンズの先端部分を守る役目です。カメラを首や肩から提げて歩くとレンズ先端を周囲にぶつけることがあります。考えたくないですがカメラを床に落下させることもありえます。そんな時、レンズの前面に取り付けたフードが真っ先に当たり、犠牲になって大切なレンズを守ってくれるわけです。

  

機能以外の効果もあります。あくまで個人的な見解ですが、レンズフードによってカメラの見た目が良くなることが多いです。レンズフードを装着することで、古くから続いているいかにもの「カメラらしさ」が出たり、レンズの存在感が高まる気がしています。つまりはカメラの見た目を盛ってくれるアイテムなのです。

  

基本的に「レンズには何らかのレンズフードをつけるもの」ですし、レンズを購入すれば、たいていはそのレンズ専用のレンズフードが同梱されています。

けれども最近のレンズフードはプラスチック系の素材で出来ている物ががほとんど。ちゃんとデザインされたフードも見られますが、カメラの外観を少しクラシックな雰囲気に仕立てたい時には、素材違いや色違い、角型のフードなどに換装する手もあります。

そのような時、HN-3のような金属素材かつ超軽量のレンズフードが重宝します。

  

HN-3の良さは金属素材で出来ているところです。薄手の金属素材ならではの、フード先端部分のシャープな仕上がりが、カメラという工業製品の「精密感」を高めてくれます。

探してみると分かるのですが、金属製であってもモッサリとしたルックスの製品もあります。HN-3のシンプルでスッキリと美しいシェイプも推したいポイントです。

またHN-3は正面から見た場合の直径が大きいので、カメラに存在感を加えます。集合写真での撮影、あるいは(いまはほとんど無いものの)展示会でコンパニオンの目線を欲しい時、意外と「レンズはここにありますよ」の効果は大きいです。

ただし、フードの径が大きいと組み合わせるレンズによっては不要な光線を遮る効果は薄くなります。正直なところ私は「見た目重視」でHN-3を使っています。

  

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フォクトレンダーとフジフイルムのレンズにHN-3を装着

  

HN-3はレンズ先端部分の直径(正確にはレンズ先端部分のネジ部分)が52mmの物に対応し、その直径であればニコン以外のメーカーのレンズにも取り付けが可能です。上の写真では「フォクトレンダー」と「フジフイルム」、ふたつのメーカーのレンズにそれぞれHN-3を装着した様子です。

なぜか私が入手するレンズには直径52mmのレンズが多いのです。見た目が物足りない時に「あっ、HN-3を付けちゃおう」っていう便利な存在になってなっています。

  

HN-3がいかに愛されてきたパーツであったかを示す記述がありました。本品は昭和34年(1959年)に最初のモデルが発売され、表面の仕上げや側面の刻印に多少の変更が加わりながらも基本形状はそのまま。なんと61年間も販売が継続されたとのことです(ネット調べ)。

  

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フジフイルム X-E4 と

こちらはフジフイルムのレンズにHN-3を装置し、同じくフジフイルムのミラーレスカメラ:X-E4にセットした様子です。レンズフードによってレンズの全長が伸びるため、取り回しのしやすさは低下するものの、見た目の「カメラらしさ」が演出されます。

  

下の写真はレンズに標準装備のレンズフードとHN-3との比較です。標準フードは全体がコンパクトにまとまり機能的です。(もちろん、それぞれ好みのことだとは思います)

  

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レンズ標準のフード(左)とHN-3(右)との比較

    

レンズフードは装着対象となるレンズ先端部分の直径と、レンズの焦点距離によって多くのバリエーションが展開されています。HN-3とは型番で1番違うHN-2もあります。HN-2はHN-3よりも広角側のレンズに対応します。

  

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左:HN-3 / 右:HN-2

  

残念なのは、HN-3はすでにメーカーの生産が終了していることです。何年か前に最初のHN-3を購入し、しばらく使っていて最近になって廃番を知りました。ですので日頃から中古品をなんとなく探していて、美品を見つけたら入手するようにしています。

  

最後になりますが、きょうの記事のタイトルは少し盛ってしまいました。レンズフードという地味なパーツの話題でしたので。

ところが、この記事を書いたあとにツイッターで検索してみましたら、「キヤノンのパンケーキレンズにKH-3が合いました」とか「(最新モデル)ニコン ZfcのレンズにHN-3装着したら違和感ありません」とか多くの人たちが喜びのツイートをしていて、本当に「みんな大好き」であることが判明しました。

  

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