和田哲哉・LowPowerStation

考えて使う・楽しく使う

ニコン1 V1が良かったのでニコンZ6を購入しました

  

ということで、ニコンD500からZ6に切り替えました。

NIKON Z6 + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

  

製品選びの過程を楽しむブログ「LowPowerStation」。今回も長文ですがお付き合いください。

  

1.メイン機材として5台目のカメラ

主に製品撮影用のカメラとして、以前はコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)ばかり買い繋いでいたものを、より安定した撮影環境を確保すべく17年ほど前に導入したデジタル一眼レフカメラ。その最初の機種は当時大ヒットしていたニコンD70でした。

D70+スピードライト(=別体ストロボによるリモート調光)の組み合わせによって、天候や時間帯に左右されず、ISO感度も高めずに製品を撮影でき、日々の作業効率が大幅にアップしたものです。

  

D70 / D90 / D7200 (自身のインスタグラムより)

  

その後もD90、D7200とニコンのデジタル一眼レフでつなぐことになります。信頼文具舗での撮影は基本的に被写界深度が深いほど助かり、かつ機材が軽量であって欲しいことから、FX機(=ニコンのフルサイズセンサー搭載シリーズの名称)は必須ではなく、DX機(=ニコンのAPS-Cセンサー搭載シリーズの名称)の使用で十分でした。

  

D7200購入当時の記事はこちらです。

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D7200はとても良い機種でそのまま使い続けることもできましたが、ファインダーの見やすいD500がどうしても気になり、D500が異常に安値になった2年前にスパッと切り替えを行いました。

なお、その切り替えをした時、すでにZ6は登場から1年半ほど経過していましたし、Z6IIが発表されて間もない頃でした。D500購入時の迷いについては当時の記事からもうかがえます。

  

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2年前にZシリーズに移行すればD500という「回り道」をせずに済んだのかもしれません。しかしD500によって「晴れやかな視界の光学ファインダー」を経験できましたし、DX機ながら複数本のレンズによる学びも多かったです。なにより、DX機の最高峰機種を手にできたのは貴重な経験でした。

  

2.まさかのNikon1 V1入手

D500までは一眼レフ。つまり「ミラー有りのデジタルカメラ」です。いっぽうZシリーズは「ミラーレスのデジタルカメラ」です。

私がZシリーズへの移行を急がなかったのは、筆記具等の小物をスピードライトを使って撮影するのに、一眼レフ機が有する光学ファインダーでピントを合わせたいという理由がありました。Z6に切り替え後のいまも、この点についてはEVFよりも光学ファインダーのほうが優れていると思っています。

D7200からD500に替えての2年間は、D500ならではの良質な光学ファインダーのおかげで気持ちよく仕事を進めることができました。

  

しかし、いつかはミラーレスであるZシリーズに移行する時が来ます。使いやすければZシリーズにこだわらず、ニコン以外の機種でも良いのです。

  

2021年に私が心変わりするふたつのトピックスがありました。ひとつめはフジフイルムのミラーレス一眼「X-E4」の入手です。当時の様子は下記をご参照ください。

  

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X-E4の入手によってミラーレスデジタル一眼のあれこれが理解できました。ただ、なぜか、なぜか、製品撮影用の機材をフジフイルムに置き換えるまでの気持ちには至りませんでした。たとえ将来、フジの上位機種のカメラボディーを買ったとしても、それを使って室内で製品撮影する様子は自分の心の中には浮かびませんでした。私にとってフジフイルムのカメラは屋外の風景を撮りたい気分なのです。不思議なことに。

  

ふたつめのトピックスは意外なものでした。

ニコンはZシリーズの開発以前、すでにミラーレスカメラを出していたのをご存知でしょうか。「Nikon1(ニコンワン)」というシリーズです。当時のニコンはNikon1をミラーレスカメラと呼ばず「レンズ交換式アドバンストカメラ」と呼称していましたが。

Nikon1シリーズはAPS-Cよりも大幅に小さい「1インチセンサー」を搭載したモデルで、カメラボディーも非常に小さいものでした。

  

NIKON1 V1 と FUJIFILM X-E4



  

Nikon1シリーズは2011年のスタートから決して少なくはない数の機種を開発してきたものの、2015年の「Nikon1 J5」発表を最後に新規開発を終えています。1インチセンサーミラーレスカメラという製品コンセプトが、ちょうど同じころに目覚ましい進化をとげていたスマートフォン搭載のカメラに様々な点で勝てなかったのでしょうか。

  

そのNikon1シリーズ最初のモデル「Nikon1 V1」が思いもかけず手元にやってきたのです。

  

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Nikon1の最後のモデル登場から約7年後、V1の登場からですと実に11年後の2022年にこのカメラを手にしたわけですが、使ってみてなんだか楽しい。

X-E4と比べると画質も操作性も劣っているのに「プリミティブなカメラの楽しさ」がそこには有ったのです。一番感心したのはV1のボディーのしっかり感でした。レンズマウント部からボディーを手で掴む領域までの剛性感や一体感は格別です。この一点については2021年に登場したX-E4を凌ぐだけでなく、樹脂系パーツを多用したD500をも凌駕している気もします。

V1は2011年のモデルでしたけれど、Zシリーズを含めたニコンのミラーレス機のボディー設計への期待感を高めるのに十分な要素を持っていました。

早い話が、V1のおかげで「カメラ店に出向いてZシリーズの試写をしてみたい」という気持ちになったのです。 

  

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3.マサワダさん、Z6に置き換える

V1でひとしきり遊んで満足していた6月のなかごろ、私の息子であるマサワダさん( id:masawada )からSlackでメッセージが飛んできました。

「D850を手放してZ6IIなりZ7IIなりに行くのを考えています」

マサワダさんはニコンのFX機:D850と、いわゆる「大三元レンズ」と呼ばれる高価なレンズ群を所有していました。それらを手放してZシリーズへという相談です。

マサワダさんとはその後、短時間ながらSlack上でZシリーズについての濃いディスカッションをしました。「ニコンはいまZ9が大人気だから、今後出るZ7IIやZ6IIの後継機は魅力あるものになりそう」というストーリーが予想され、「レンズは良いものにして、ひとまずボディーはZ6やZ5の中古でも」との答えが見えてきます。

その後マサワダさんはすぐに実機を確認。「用途からZ6IIではなくZ6の初号機で良さそう」、「Z6とZ5とではシャッター音の満足度に違いあり」との報告が。また昨年時点でZ6の新品価格はだいぶこなれておりZ5との価格差も小さいことから、マサワダさんは「Z6 + NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」のセットに決定します。

  

いっぽうマサワダさんの相談を受けて自分の状況を見ると、DX機ながらレンズの所有本数が多く、現有ボディーとレンズの一式まとめて手放せば、私も(キットレンズながら)Z6に置き換えできそうです。

いつもならウダウダと検討を続ける私ですが、なぜかこの時は一瞬で判断し、Z6のレンズキットモデルを注文。マサワダさんのZ6到着の2日後にはウチにもZ6が届いた次第です。

  

NIKON D500 と NIKON Z6

  

Z6の使用感については非常に満足しています。

キットレンズとは言え「 NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」の写りは解像度も色の階調も良好で驚きでした。心配していたバッテリーの持ちも、最新のZ6には新バージョンのバッテリー(EL-15c)がこっそり同梱されていて心配には及びませんでした。このあたりは次回の記事に詳報します。

  

今回、マサワダさんからの相談がきっかけでZ6への切り替えとなりましたが、背景として「Nikon1 V1がとても良かった」ことや「Z9の好調によってニコンの将来に光が差してきた」ことが大きな後押しになっています。

ツイッターあたりで「Nikon1」を検索しますと「Nikon1 黒歴史」とか「Nikon1の呪い」とか、あるいはNikon1サポート終了へのネガティブな声も見かけるものの、こうしてNikon1で「気持ちが開花」してZを買うような者も居ますので、Nikon1シリーズの実績はちゃんと後世に役立っていると思います。

  

この記事には続きがあります:

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